※画像はイメージです/PIXTA

100万円で1つの銘柄を買うより、20万円ずつ5銘柄を買った方がリスクの軽減になるというのが、分散投資の基本的な考え方です。しかし、単純に銘柄を分けるだけでは効果を得られないケースもあります。どういうことでしょうか。※本連載は、市川雄一郎氏の著書『投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え』(日本経済新聞出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

「ブレ幅を小さくする」ことのメリットとデメリット

もうひとつ、重要な注意点があります。「分散し過ぎ」は、実は危険だということです。

 

ときどき「分散投資は安全だ」と信じ込み、自己資金をやみくもに様々な商品や銘柄に細かく分散する人を見かけます。ところが、分散し過ぎると、一つひとつの銘柄を管理し切れなくなったり、さらには、ブレ幅(=リスク)が平坦にならされるのはいいのですが、その半面、全体の資産がなかなか増えていかなくなったりという、なんとももどかしい状態にもなりかねません。これでは羮(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹くというか、やぶ蛇というか、何のために投資をしているのか、わかりません。

 

さらに言うと、取引手数料のかかる商品にたくさん分散している場合は、利益よりも手数料の方が高くなってしまったという、笑い話のような事態にもなりかねません。ご本人はリスクに対する保険をかけているつもりでも、結果的に保険料(手数料)の方が高くついてしまったわけです。要するに、分散のし過ぎは、知識の足りない人がやってしまう本末転倒な行為なのです。

 

1人の投資家が個人で管理できる商品(銘柄)数にはおのずと限界があります。分散投資をするのであれば、「自分でわかる分野」に絞ったうえで、「自分で負担にならない数」に抑えること!これが大鉄則です。

 

私の経験で言うと、株式投資であれば10〜20銘柄、慣れてきた人でもせいぜい30銘柄くらいでしょう。初心者であれば、まずは5銘柄くらいから始めるのが、無理なくできる順当な数だと思います。

 

なお、分散の効果については、メリットがあるのは20銘柄くらいまでで、それ以上になるとインデックスに投資しているのと変わらず、メリットはどんどん薄くなってしまうという調査結果も出されています。また、本当にリターンの高い銘柄があれば、それに集中した方がいいことも事実なのです。

 

かのバフェット氏も「分散は無知の人がやることだ」と言っています。

 

◆まとめ◆

分散のし過ぎは”保険料の方が高い保険”のようなもの!

 

 

市川 雄一郎

グローバルファイナンシャルスクール校長

 

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投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え

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市川 雄一郎(編著)
グローバルファイナンシャルスクール(編)

日本経済新聞出版

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