(※写真はイメージです/PIXTA)

本連載では、仕事の帰りに脳出血で倒れ、一時意識不明の重体になるも、一命を取り留めた経験を持つ宮武蘭氏が、脳出血の後遺症やリハビリの実際を解説していきます。

1日20分の軽いリハビリは、気分転換にもなった

この2日前くらいから、軽いリハビリも始まった。1日20分くらいだったが療法士が迎えに来てくださり、リハビリ室で血圧を計りながら、少しずつ運動を始めた。集中治療室を出て院内を移動するだけでも、少しだけ気分は変わった。

 

運動といっても右手右足は動かないので、装具を足につけて少し立つ、といった感じだ。右手はダラリとしていたので、三角巾をつけていた。

 

入院している時に、集中治療室の担当医師から、リハビリ専門病院の先生が来られることを聞いた。そして私は言われた。

 

「うちの病院は年末年始、リハビリはお休みなんですよ。あなたはまだ年齢的にも若いので、リハビリを1日でも早く始めた方がよいです。今日ちょうど、そこの先生がお見えになります。お目にかかってください」

 

『私、若い? もう46ですが』と心の中でつぶやきつつ、「あ、はい、分かりました」と答えた。

 

少しして、リハビリ専門の病院の先生が来られた。車椅子に座っていた私と目線を合わせるように中腰になられ、「大変でしたね。大丈夫ですか?」と話し掛けてくださった。そして、リハビリを1日でも早く始めることが回復につながることを教えてくださり、「うちに来られて、リハビリ頑張りませんか?」と、言ってくださった。

 

私は、心の中で、『まだ倒れて間もないし、一般病棟にも移ってないけれど……』と思ったものの、「はい、よろしくお願いいたします」と答えた。先生は柔らかい笑顔で、「お待ちしています。頑張りましょう」と、言って集中治療室を後にされた。

十日間程の入院生活。長いようにも短いようにも感じる

退院間近、看護師にシャワーを浴びさせていただき、髪も洗っていただき、本当に嬉しかった。恥ずかしさよりも、倒れる前からの汗をすべて流していただいたことの嬉しさが勝っていた。短期間だが、命を救っていただき、懸命に対応してくださった、すべての病院スタッフに感謝の気持ちでいっぱいになった。

 

転院前日の夜、十日間程の入院生活はあっという間のようにも、長かったようにも感じた。ともかく、間違いなく、私は命を救われ生きている。

 

もし、すべてのタイミングや何かが違っていたら、私は今ここにはいないかもしれない、そして無事に転院を迎えることはできなかっただろう、とベッドの中で考えながら眠りについた。

 

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宮武 蘭

1969年生まれ。2015年に脳出血で倒れ、一時意識不明の重体になるも一命を取り留めた経験を持つ。その後、片麻痺の後遺症は残ったが、懸命なリハビリ、様々な方々のサポートのおかげで日常生活、社会生活を取り戻す。現在は『毎日起こることのすべてがリハビリ』をモットーに、片麻痺障害者として生きている。

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『アイアムカタマヒ 右半身麻痺になった中年女の逆境に打ち克つリハビリ体験記』より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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