中古物件の不動産広告で「インスペクション」の文字を目にしたことのある方は多いと思います。インスペクションとは、物件にひび割れや雨漏りがないかの調査のことで、日本では、国土交通大臣の登録を受けて講習を修了した、建築士資格の保有者によってチェックが行われます。インスペクションのメリットと、具体的な検査内容について見ていきます。

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    調査依頼は売主が多く、実施件数の9割に

     

    国交省の不動産仲介業者に対する調査によると、売買に際しインスペクションを希望する割合は約6%程度で、まだまだ浸透していない状況が伺えます。そして調査の費用負担、すなわち調査依頼をするのは売主からが多く、その割合は実施件数の9割を越えています。

     

    ここで、インスペクションを行うメリットについて掲げます。

     

    ★建物の状況を把握でき、安心して購入の判断ができるようになる

    ★購入後のリフォームやメンテナンスなどのリスクを見据えて購入できるようになる

    ★引き渡し後、瑕疵が発見された際に「既存住宅売買瑕疵保険」による保証が受けられる場合がある

     

    ▼インスペクションを「売主」のほうが率先して依頼するワケ

     

    引き渡し後の買主からのクレームといったトラブル回避が目的だと考えられます。インスペクションにかかる時間は3時間前後、費用は4~7万円程度であり、売却価格から考えれば微々たる金額です。この程度の金額で将来の安心が買えれば安いと判断しているのでしょう。

     

    ▼専門家によるインスペクションが重要なワケ

     

    国交省の調査によると、既存住宅売買瑕疵保険加入者のうち、約4%が何かしらの瑕疵トラブルを訴えています。すなわち25件中1件がトラブルに見舞われているということになり、確率的にはとても高いのです。

     

    瑕疵の内容でもっとも多いのは雨水(雨漏り)で、その割合は8~9割とダントツです。雨漏りについては売主に告知義務があるものの、前の所有者がリフォームしていたりすると発見が難しく、引き渡しの数年後に雨漏りが再発するケースも多々あります。

     

    そういった「隠れた瑕疵」を発見するためにも、専門家によるインスペクションは重要なのです。

     

    ▼インスペクションの注意点

     

    インスペクションの目的は「いまある瑕疵」の把握であり、物件に瑕疵がないことを立証するものではありません。中古住宅ですから、非の打ち所がない物件はありませんので、妥協点も必要です。

     

    インスペクションによって具体的な瑕疵リスクを把握でき、引き渡し後にどのようなリフォームを施したらいいのか計画が立てられるというところにメリットがある、と理解しておくといいでしょう。

     

     

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    ※本記事は、「ライフプランnavi」に掲載されたコラムを転載・再編集したものです。

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