災害にコロナ、死を感じる機会が増えた一方で…
日本国民の超高齢化、独居老人の急増などの時代背景を見ると、「来る日の安心のために」終活を始める必要性にうなずけると思います。多くの命が奪われた東日本大震災、その後のいくつもの災害、そしてコロナ……。意識的にも無意識下でも「死」を考える機会は増えました。
前述したとおり、「終活」の認知度は年々高まり、8割近い人々がその名を知るようになりました。
終活ガイドを務める私としては、1日でも早く皆さんに終活の詳細を説明して、アドバイスし、皆さんに終活を始めていただきたいところですが、実際のところは、「終活を知っているし、必要性を感じる」は70.9%[図表2]と、一定数がその必要性を感じながらも、終活経験者は、いまだ11.7%[図表3]。
終活への関心は年々高まっていますが、まだ1割強の人しか終活をしていないのです。実際、私がSNSで終活についてメッセージを発信したり、終活をテーマにした自分のラジオ番組で終活を勧めると、「私も終活をしなければ!」というコメントが多数寄せられます。
「疎遠になった故郷の墓じまいをしなければ」といった、終活の必要性を再確認するメッセージもあります。
そうしたメッセージを寄せてくださった皆さん全員が、終活を始めてくれればなぁと心から思います。
実際は心で思っても、行動に移せない人が圧倒的多数に感じるからです。なんでもそうですよね。お尻に火が付かないと行動できない、というのは人間の特性かもしれません。試験勉強だってそうだった、と学生時代を思い出しますが、ことは自分だけでなく残された親族にも影響を与える終活です。
「いつかこの世を去るんだなぁ」と自覚したなら、すぐに終活を考えてほしいと思います。
菊田 あや子
リポーター
一般社団法人終活協議会理事
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