本記事では、ファイナンシャルプランナーオフィスのLive to Relief(ライヴトゥリリーフ)株式会社代表取締役・笹村敏夫氏が、営業マンの多くが勘違いしている、「自身の本質的な役割」について解説します。

「勉強しなさい」という言葉から学ぶ「営業の秘訣」

営業マンの本質的な役割は、「自社の商品やサービスを通じ、お客さまの悩みや課題、欲求を解消して、理想とする未来を提供する」というものです。ここを理解していない営業マンは、商品を売ることが最終目標になってしまうため、どうしても「商品ありき」でのセールストークが多くなります。

 

「この商品には最新鋭の技術が使われており……」といった商品説明が繰り返されると、営業マン自身には、強くプッシュしている意識がなくとも、お客さまは「なんとか説得して売ろうとしている」と受け取り、一気に買う気を失います。

 

こうした反応は、実は人間に共通の心理です。人は生来的に、自分の選択や行動を自ら決めたいという欲求があります。そして、それを他人により奪われることに抵抗を感じます。

 

例えば、子どもが親に「勉強しなさい」というと、「今やろうと思っていたのに……」と、途端にやる気を失ったりします。

 

家族や親しい友人であっても、「あなたはこうだから」と決めつけられれば、「そんなことはない」と反発心が沸き上がってきます。このような反応は、心理学において「心理的リアクタンス」と呼ばれるものです。

 

そして営業マンのセールストークでも、「いい商品なので買ったほうがいい」という商品ありきの提案が多ければ多いほど、お客さまの抱く反発は強まっていきます。たとえそれが実際にいい商品だったとしても、素直に「欲しい」とは言わなくなります。

 

そうならないためには、常に営業マンの本質的な役割を見失わないことです。営業マンの仕事の入り口となるのは、商品ではありません。お客さまの悩みや課題、欲求です。

 

一流の営業マンはそれをよく理解していますから、まずはヒアリングを最も重視するのです。お客さまの悩みを把握したうえで、営業のプロである自分にできることはないか考える。もし相手の悩みが自社の商品と結びつかぬものであれば、無理に商品を売ろうとはしません。

 

仮に契約にこぎつけたところで、お客さまの悩みを解決するという本質的な役割を果たせなければ、プロとして失格だからです。もう少し大きな視点からいうと、世の中のあらゆる仕事は、自分ではなく他者のために存在します。

 

誰かの役に立って初めて、その対価として報酬が得られます。自分の成績のため、ノルマ達成のため、インセンティブのため……。そうした思いで営業しているうちは、何千万もの収入を稼ぐことはまずできません。

 

お客さまの未来をより良く変えるために、自分は営業をやっている。本気でそう思えるようになることが、一流営業マンへの第一歩です。

 

 

笹村 敏夫

Live to Relief株式会社

代表取締役

 

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