K&P税理士法人の香川晋平氏は書籍『東大卒でも赤字社員 中卒でも黒字社員―会社が捨てるのは、利益を出せない人』(株式会社経済界)で、転職がうまくいく黒字社員とうまくいかない赤字社員の差について解説しています。

赤字社員は転職すると「人罪」になる

以前『若者はなぜ3年で辞めるのか?』(光文社)という本がベストセラーになりましたが、新卒で入社後、3年以内に辞める人が3割もいるといわれています。私は、これをとても残念なことだと考えています。

 

なぜなら、赤字社員は転職しても、やはり赤字社員になる人がほとんどだからです。もちろん、早期退職者の中には十分に利益貢献した黒字社員で、新たなステップアップで転職するなど、正当な理由があって退職する方もいるでしょう。

 

しかし、この早期退職者のほとんどは、赤字社員です。そして、会社に利益貢献できない、まだ仕事能力のない赤字社員が、経験(労働年数)だけをどんどん積んでしまうと、それは「害」になるだけです。つまり「人罪」になってしまうのです。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

会社の利益に貢献する意識のない赤字社員は、仕事の経験を積めば積むほど、自分の都合のよいように、会社を利用する方法を覚えていきます。

 

仕事の経験が浅い人は、当然、黒字社員から学べばいいのですが、黒字社員か赤字社員かの区別がついていないので、経験のある人に仕事を教えてもらおうとします。このときに、赤字社員から仕事を教えてもらうと、やっぱり赤字社員になってしまう確率が高くなってしまうのです。

 

会社にとって、これほど不幸なことはありません。ビジネスにおいては、特に「誰と付き合うか」で、成長速度は大きく変わるものです。

 

したがって、転職者で会社から即戦力と期待されている場合には、3ヶ月で能力があることを示さなければ、試用期間で「さようなら」になるでしょう。従業員に優しい会社であれば、その後も雇用は続けてくれるかもしれませんが、「リストラ予備軍」であることに間違いありません。

 

『外資系トップの仕事力』(ダイヤモンド社)の中で、日本エマソンの社長である山中信義氏は、次のように語っています。

 

「新しい組織、あるいは新しい会社に入ると、だいたい最初の三ヶ月が勝負なんです。最初の一ヶ月は、これまでの環境との差をインパクトとして受け止めて馴染む。次の二ヶ月目は何をやらないといけないのかを把握する。そして、三ヶ月目で具体的に何をしようかと動き始める」

 

四ヶ月目から黒字社員として活躍する―。その自信がないのであれば、転職しても失敗するだけでしょう。ですから、まずは今の会社で黒字社員になることを考え、それから転職を考えることが賢明といえます。

 

 

香川 晋平

K&P税理士法人 代表社員

 

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東大卒でも赤字社員 中卒でも黒字社員―会社が捨てるのは、利益を出せない人

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香川 晋平

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