(※画像はイメージです/PIXTA)

中高一貫の灘校には中学から入学する「中学組」と高校から入学するの「高校組」がいる。「高校組」の中には、中学受験時に灘にチャレンジしたものの失敗した人が結構いたという。公立中学に通いながら、必死で勉強し、高校受験でリベンジを果たして灘にやってきて、東大現役合格率で「中学組」に勝ったという。その理由とは…。※本連載は、和田秀樹氏の著書『公立・私立中堅校から東大に入る本』(大和書房、2019年2月刊)より一部を抜粋・再編集したものです。

受験勉強の「やり方」で「東大合格」は可能である

■「東大に合格できるかどうかは才能」は完全にウソ!

 

私が「暗記数学」などの勉強法を提唱し、「東大受験に対応する力がつく」などというと、「それはもともと頭のいい人の話だ」と反論を受けることがよくあります。

 

要するに、私の勉強法は、頭のいい人には通用するかもしれないけれど、中堅校に通う普通の生徒には真似できない、という主張です。

 

そういった主張の根底には「人が勉強できるかどうかは、先天的な才能や素質によるところが大きい」という考え方があります。

 

「正しいやり方」で勉強を続けていけば、東大合格は可能だという。(※画像はイメージです/PIXTA)
「正しいやり方」で勉強を続けていけば、東大合格は可能だという。(※画像はイメージです/PIXTA)

 

しかし、私の経験からいうと、生まれつきの才能や素質と、受験勉強で「やり方」を身につけて実力を伸ばすこととは、別物です。

 

仮に東大に合格する学力が才能によるものだったとしたら、確率論的にいって、東大合格者が全国からまんべんなく出てしかるべきです。

 

たとえば、山形県の人口は約109万人、秋田県の人口は約88万人と、ほとんど同じくらいですが、かつて山形県の東大合格者数は、秋田県の2~3倍も多い時期がありました。

 

これは才能がある人が山形に偏っていたということなのでしょうか。

 

現在では、両県の東大合格者数は拮抗しています。2018年でいうと、高校3年生1000人あたり秋田県11.8人、山形県9.4人という結果が出ています。

 

秋田県は、文部科学省が実施する「全国学力・学習状況調査」で全国トップクラスの成績を誇っているにもかかわらず、東大合格者数が伸び悩んでいる状況が県議会でも問題とされ、10年ほど前から予備校の講師に応援に来てもらうなど、大学受験対策に着手しました。その結果、東大合格者数を増やす結果に結びついたのです。

 

こういった事例を見ても、東大に合格できるかどうかは生まれつきの才能で決まっているわけではなく、学校や家庭などの環境にも大きく左右されることがわかります。

 

次ページ灘校の「高校組」が「中学組」に勝てる理由
公立・私立中堅校から東大に入る本

公立・私立中堅校から東大に入る本

和田 秀樹

大和書房

教育書を多数執筆し、多くがベストセラーになっている実績をもつ和田秀樹氏の渾身の書。 2020年の入試改革への備えにもふれ、具体的なノウハウを数多く入れた。 いわゆる「地頭のいい子」でなくとも、東大を目指せる、合…

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