(※写真はイメージです/PIXTA)

勉強のやり方を変え、「東大に合格できる」という実感、ムードが一気に東大合格者を増やすという。中堅校の生徒でも「東大に合格できる」という実感を持ち、勉強のやり方を変えたら、劇的に状況が変わるのです。※本連載は、和田秀樹氏の著書『公立・私立中堅校から東大に入る本』(大和書房、2019年2月刊)より一部を抜粋・再編集したものです。

東大合格は夢じゃないという空気が東大合格を生む

私には、なんとかしてこの状況に風穴を開けたいという思いがあります。

 

あまりに子どもの機会平等という理想に反した現実がまかり通っているからです。

 

地方からでも、意欲のある子に東大を目指してほしい。そのために私財を投じて通信教育を運営し、毎年東大や医学部への合格者を出してきました。

 

私は、磐城緑蔭中学校・高等学校という、福島県いわき市内で初めての中高一貫校のコンサルタントをしています。

 

この学校のもとになった学校は、中堅校どころか、進学校とも呼べないような高校でした。そこで、中高一貫校にしたのですが、東京などの都市圏ならともかく、福島県のような地方には、小学生のころから受験塾に入って中学受験をし、中高一貫校を目指すという文化がありません。

 

大学進学を目指す子どもは、市内の公立中学から上位の高校に進学するのが一般的であり、磐城緑蔭は入学者の定員を毎年下回る状況が続いてきたのです。

 

磐城緑蔭の中学受験問題は、東京の進学塾でいうと、小学5年生のはじめくらいにクリアできるレベルです。その得点で見る限り、トップで合格する子の学力でも、東京の進学塾でいえば5年生の上位クラスには、到底入れないくらいだと思います。下位の子になると、もう5年生クラスにも入れないはずです。

 

■16人中4人が慶応大学に現役合格した「定員割れ校」の秘密

 

そんな状況でしたが、私は、やはり勉強はやり方しだいという強い信念を持っていました。まず、中1の1学期は、中学受験用の計算の問題集と読解の問題集に取り組んでもらいました。そうやって基礎学力をつけなおし、そこから徐々にレベルアップを図っていったのです。

 

地道に生徒たちの基礎学力を底上げした結果、2015年の入試では、国立の千葉大学、東京理科大学、岩手医科大学、杏林大学医学部、明治大学など難関大学への合格者が誕生しました。

 

2016年の入試では、4人が慶応大学に現役で合格しています。卒業生16人のうち25%という数字は、首都圏以外では全国1位でした。

 

4人だからえらそうにいえないといわれそうですが、地元の公立トップ高が、卒業生約300人で同じ4人が慶応大学に現役合格ですから、十分に胸を張っていい成績です。国立の北海道大学、防衛大学校理工学部、また、そこから毎年、福島県立医大への合格者を輩出するようになりました。

 

さらに自慢できることは、落ちこぼれを作らないことです。最下位レベルの成績の子が国立大学やMARCHレベルの東京の名門大学に合格しているのです。

 

すでに東大の模試でA判定をとる生徒も何人か出てきており、東大現役合格も時間の問題だと考えています。心理的な壁のせいで合格を逃しているのですが、ひとりが最初の壁を破れば、東大合格は夢じゃないという空気もできてくるはずです。

 

要するに、中学入学時点の成績が凡庸でも、6年間、基礎からきちんと勉強すれば、それくらいのレベルには到達できるのです。

 

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