(写真はイメージです/PIXTA)

長男は東京大学に現役合格、次男は京都大学に現役合格、長女はロンドン大学UCLに現役合格……母学アカデミー代表の河村京子氏は書籍『教えない子育て 正解のない時代に「実践できる子」を育てる』(日本法令)のなかで、子どもが幼稚園や小学校低学年の間は、問題集などをほとんどさせなかった理由を解説しています。

「子どもからの質問」に答える前に考えること

3歳の我が子の語彙を増やすために、あなたならどうしますか。絵を描いたカードを見せる? DVDで学ばせる? ただ単に言葉を増やすためならカードを使うのが効果的かもしれません。

 

しかし、「りんご」という言葉を教える時に、カードに描いてあるりんごの絵を見せても、りんごの本質はわかりません。りんごの味も香りもカードからは見当がつかないからです。

 

「りんご」を教えるならば、りんご狩りに行くのがよいでしょう。爽やかな秋空の下で、りんごを収穫し、その場でかじると、格別な味がするでしょう。

 

それだけで子どもは「りんごは秋に実る」「りんごは木になる」「1本の木にたくさんのりんごがなる」「りんごは爽やかな香りで食べると甘酸っぱい」。こんなにたくさんのことを学びます。カードに描いたりんごでは学ぶことのできないことばかりです。

 

我が家では、庭に2本のリンゴの木を植えました。「リンゴの木は1本では実がならないのよ。2本の木があって初めて実がなるのよ」こう言いながら、子どもたちと一緒に筆で受粉(1本の木の花粉を、もう1本の花のめしべにつける)をします。

 

春に白いりんごの花が咲き、花が終わるとそこに小さな小さな青いりんごの実ができます。夏を過ぎる頃、どんどん大きくなったりんごはだんだん赤くなります。そして、春にはたくさん花が咲いて、たくさんの小さな実がなるのに、秋まで生き残っている実はわずか。家族の口に入ったりんごはたったの3個でした(育て方が悪かったようです)。

 

そんな体験をすると子どもは、「りんごの実が無事に大きく赤くなるのは大変だということ」「りんご狩りでたくさんのりんごがなっているのは、農家の方の努力があるからということ」など、りんご以外のこともたくさん学びます。

 

このように、単に知識として「りんご」を教えるのではなく、「りんご」を題材として思考を磨くことが子どもの能力を伸ばし、思考を広げることに役立つのです。

 

すぐに知識だけを教えれば、手間もかからずある程度の成果もすぐに見込めます。しかし、あえて「教えない」ことで子どもが自分で体験し、それを長い時間をかけて見守り、知識以上の思考を身につけることができるのです。時間も手間もかかりますが、広い思考を持った人間に育てるために、必ず通らなくてはならない道のように思えます。

 

子どもは毎日のように「これ何?」「どうして?」と聞いてきます。すぐに答える前に、子どもが聞いてきたことが「知識」なのか「思考」なのかを考えて、「教える」のか「教えない」のかを決めましょう。

 

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