(写真はイメージです/PIXTA)

長男は東京大学に現役合格、次男は京都大学に現役合格、長女はロンドン大学UCLに現役合格……母学アカデミー代表の河村京子氏は書籍『教えない子育て 正解のない時代に「実践できる子」を育てる』(日本法令)のなかで、子どもが幼稚園や小学校低学年の間は、問題集などをほとんどさせなかった理由を解説しています。

学校の宿題で十分?…能力や学力を伸ばす教育

私がたくさんのお母さんからいただく、勉強系の質問の中でダントツに多いのが、「お子さんが幼稚園や小学校低学年の時、どんな問題集をさせていましたか」というものです。この質問をいただくたびに言葉に詰まってしまいます。それは私自身、子どもが幼稚園や低学年の間は、ほとんど問題集などはさせていなかったからです。

 

もちろん学校の宿題のドリルはやっていました。しかしその他に追加でやらせた問題集はほとんどないのです。「え? 何もやらせなかったの? ずっと遊んでばかりだったの?」とびっくりされたのではないでしょうか。

 

パズルや数独や迷路などは大好きでしたから、毎日のようにやっていました。しかし子どもたちはそれらを勉強だとは思っていなかったのです。遊びの一環としてやっていたようです。いわゆるペーパーの勉強はしていませんでした。

 

しかし、私が「子どもに勉強させる必要がない」と思っていたかというとそうではありません。子どもの能力はできる限り伸ばしたいし、将来的に学力もつけてほしいと思っていました。ただ、幼稚園や低学年でペーパーの問題をやらせることが、能力や学力を伸ばすことにはつながらないと考えていたのです。

 

では、私は子どもたちにどんなことをさせていたのでしょうか。私がいつも意識していたのは「WhatではなくHow」ということです。

 

つまり、「何をやらせるかではなく、どうやらせるか」ということを意識していました。例えばドライブをする時、「家から目的地までいかに早く楽しく到着するか」ではなく、「家から目的地までの間にどうやって子どもの頭を鍛えようか」ということを考えていました。

 

前を走る車のナンバー4桁で、足し算、引き算、掛け算、割り算を使って10にするためには、どんな方法があるか。「1234」の番号であれば「4×2=8、3-1=2、8+2=10」と兄が言えば、弟は「4×3=12、12-2=10、10×1=10」と言います。その後、「どちらの解き方が美しいか」を議論するのです。

 

もちろん正解はありませんが、こういった議論は「算数の本質」が見え隠れして面白いです。

 

その他にも、「今見えている風景の中で『あ』がつくものは何か?」というもの。この質問にも答えはありません。子どもたちは必死になって探します。

 

「青空」「看板に書いてある交通安全の『あ』」などと言い合ううちに誰かが「アリ」と言うと、「アリが見えるわけない」「見えた」と言い合いになり、最後は喧嘩になったりもしました(笑)。

 

そう考えると、1日24時間すべてが勉強だといえます。親の役割は「いかに子どもが頭を使う会話のきっかけを作るか」なのです。あなたとお子さんの会話を思い出してみてください。その中に「How」はいくつありますか。

 

 

河村 京子

母学アカデミー代表

 

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