わが子が幸せになるためには、自立と自律を兼ね備えることが大事……幼稚園の園長として1万組の親子を見てきた、学校法人山崎学園の理事長・山﨑拓史氏がわが子を計画的に育てるために必要な最終目標に向けて、小さな目標をクリアしていく流れである「スモールステップ」の「注意点」について解説します。

スモールステップに関する「成功体験」と「注意点」

子どもは何かができるようになりたいと思ったとき、最終目標だけを夢見て、小さなステップには目もくれません。自転車に乗りたいと思ったら、補助輪なしの自転車で、すいすいとどこへでも行けることを最初から望んでしまうのです。

 

しかし、いきなり補助輪なしの自転車に乗れる子は多くはありません。補助輪付きでペダルをこぐ感覚を習得し、次に片輪だけ外してバランスの練習をし、両輪を外したら親が支えて……と、段階を経ることで、できるようになっていく。そのことを子どもは知らないのです。

 

そこで、親は小さな目標の提示と、その目標をクリアしたときのご褒美を設定します。ご褒美といっても大げさなものでなくて構いません。「片輪を外して乗れるようになったら、自転車にキラキラシールを貼ろう」とか、「一緒にジュースを飲もうね」などで十分。それでも、目的を達成した子どもにとっては「よし、もっとできるようになろう!」と気合が入るのです。

 

気をつけなければいけないのは「そんなこともできないの?」「お友達はできるのだから頑張りなさい」と、人と比較したり、できないことを責めるような言い方をしないこと。それから「できるようになったら楽しいよ!」と、最終目標を親の側で口にしないこと。小さな目標にだけ注目してあげるのがコツです。

 

スキップや縄跳び、フラフープなど、幼児ができるようになりたいと思う遊びはたくさんあります。スキップであれば、まず片足ケンケンを左右交互にできるようにとか、縄跳びなら両足ジャンプや、縄を回すだけの練習などを、遊びのなかに組み入れてあげてください。

 

小さな成功体験を重ねると、そのたびに自信がつき、子どもの頑張る気持ちはパワーアップします。そして最終目標をクリアしたときに、「補助付きも乗れた、片方の補助輪だけでも乗れた、ママが支えても乗れた、ママが支えないでも乗れた。Aちゃん、たくさんのことができるようになったね!」と、ここまでの成功体験を振り返りながら、努力したことを褒めてあげましょう。

 

最終目標に向けて、親が焦ってしまい「早く!」「やらないとママ怒るわよ」などとけしかけるのではなく、できそうな小さな目標を設定して「ここまでできそう?」と本人の意志で動けるように導いてあげましょう。

 

こうしたスモールステップの成功体験を積み上げていくと、何事も「いきなり」できるわけではなく、努力を重ねることで「少しずつ」できるようになっていくことを子どもたちは会得していきます。

 

スモールステップを理解していると、一人で何かを成し遂げようとするときも、最終結果にこだわり過ぎず、計画的に「ここまでやる」「次はこれをやる」と、自分で考えられるようになっていきます。

 

 

山﨑 拓史

学校法人山崎学園理事長

 

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わが子が幸せになるために必要な3つの力

わが子が幸せになるために必要な3つの力

山﨑 拓史

幻冬舎MC

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