FX(国外FX口座)…国内とは税制の取り扱いが異なる
国内においてすでにFX投資を行っている場合、国外FX口座でのハイレバレッジな取引に魅力を感じる方も少なくないでしょう。しかし、上述の国内FX口座とは税制の取り扱いがまったく異なりますので注意が必要です。
【FX(国外FX口座)の課税方法の特徴】
①雑所得として総合課税
②累進税率が適用される
③損失が出た場合の損益通算ができない
④損失の繰り越しができない
課税方法の特徴を見てわかる通り、暗号資産と取り扱いがまったく同じです。つまり、収入が高ければ高いほど、高い税率が適用され、他の所得との損益通算や繰越控除も認められていません。
特に国内FX口座ですでに取引を行っている方が押さえるべきポイントは、「国内FX口座の損益と国外FX口座の損益は相殺できない」という点です。
同じFXではあっても課税方法が異なるため、まったく別物としてとらえておく必要があるのです(国外FX口座の損益同士、または同じ取り扱いの暗号資産の損益とは通算が可能です)。
ハイレバレッジで商品としての魅力はとても高い半面、税コストが高いという側面をしっかり理解しておきましょう。
株式投資(国外証券口座)…国内証券口座との違いは?
富裕層の方のなかには、海外証券会社の現地口座で株式投資を行う方も多くいらしゃいます。海外の証券口座は外国債券や外国投資信託のラインアップが豊富で、国内証券会社が取り扱っていないものも多く存在します。
必ず押さえておいていただきたいのは、日本の証券口座で取引する場合と海外の証券口座で取引する場合では税制が異なるという点です。また、海外証券口座で生じた損益についても、必ず確定申告が必要となります。今後、国外証券口座での投資をお考えの方も課税方法の特徴をしっかりと理解しておきましょう。
【海外証券口座を通じた配当金、債券の利子】
①配当所得、利子所得として申告分離課税
②配当控除を受けることができない
【海外証券口座を通じた株式の譲渡損益】
①譲渡所得として申告分離課税
②国内証券口座を通じた譲渡損益との損益通算ができる
③配当所得や利子所得との損益通算はできない
④損失の繰り越しができない
最大のポイントは、配当や利子所得との損益通算ができないという点です。国内外問わず、株式の譲渡損益同士であれば損益通算をすることが可能です。しかし、それでもなお残ってしまった海外証券口座を通じた譲渡損失については、配当や利子所得との損益通算が認められず、また損失の繰越控除も認められていません。
(国内証券口座を通じての取引であれば株式譲渡損失と配当所得との相殺は認められています)
こちらも国内証券会社を通じた取引と同一の取引であると混同されがちで、想定外の納税が発生する可能性があります。しっかりとメリットデメリットを把握した上での投資判断が必要となります。
■まとめ
世界には魅力的な金融商品が多数あります。今後、グローバル化が進むのではと予想される富裕層の方の資産形成においては、商品の特性に応じた所得の課税方法をしっかり把握し、綿密なポートフォリオ形成をしていく必要があります。
※2021年3月現在の法令等に従い執筆しております。法改正などにより、内容が変更となる可能性があります。
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