わが子が幸せになるためには、自立と自律を兼ね備えることが大事……幼稚園の園長として1万組の親子を見てきた、学校法人山崎学園の理事長・山﨑拓史氏が小さなころの「体験」の重要性を紹介します。

家の中にある五感を鍛える最高の舞台とは?

食といえば料理も探求心を掻き立てるものです。大人でも料理好きな人は、おいしい物を食べるために遠くまで出かけて行ったり、その味を再現するために、特別な食材やスパイスを買い求めに行ったりします。そこまでいくと「探求」ではなく「探究」という漢字が当てはまるかもしれません。

 

探求心は、物事を知ろうとする力、何かに興味や関心を持つ力ですが、探究心となると、一つの物事を突き詰め、深掘りする力へと変化します。幼児期のうちは多種多様のものに興味を持ってほしいのですが、小学校高学年以降は、「これ」と決めたことについて研究したり、考える探究心も必要になってきます。

 

匂い、味、音、見た目、触感と、五感のすべてを使う料理は、探求と探究、両方のスキルを磨く、とても良いトレーニングになります。ぜひ、家庭でも親子でキッチンに立つ機会をたくさん設けてほしいと思います。

 

最初は混ぜる、こねるなど、指先を使うことからやらせてみましょう。ケーキの生地が混ぜているうちに滑らかになっていくとか、ハンバーグのタネが粘り気を増していく感触は子どもの心をワクワクさせるものです。

 

切る作業は見ていてハラハラしますが、子どもの手のサイズに合った器具を使うことで安全性が高まります。また、子どもの背の高さに合わせた調理台を用意するか、踏み台を使って、力が入りやすいように環境を整えてあげることも大切です。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

少し慣れてきたら「今日はAちゃんがお味噌汁の具を何にするか決めて」と冷蔵庫を開けて選ばせたり、買い物に行った際に「シチューに何を入れたらおいしいかな?」と相談をしてみると、子どもが食材の相性を考えるチャンスになりますし、自分の好きな物だけでなく少し冒険した材料選びにチャレンジするかもしれません。

 

ただし、料理に挑戦させる際に、親には避けなければならない2つの言動があります。それは「危ない!」と子どもの動作を止めてしまうことと、「汚さないで」とやり方を非難してしまうこと。これらを言われてしまうと、子どもたちのやる気は一気に損なわれてしまいます。

 

NGを避けるためには、料理をする前に子どもと簡単な約束をしておくことがおすすめです。調理器具の中には、使い方を間違えるとケガをするものがあるので、使う前に「これを使う」と声を掛けること。そして、「危険な使い方をしたときは注意するね」とあらかじめ説明しておくことです。

 

最低限のルールを守ってくれたら、手伝ってくれたことに感謝して、「いただきます」と「ごちそうさま」を子どもに向けて言ってあげましょう。

 

食器の後片づけを家族全員でやるのもおすすめです。「Aちゃんは、コップを片づける係」のように役割を与えてあげることで、子どもに達成感を味わわせてあげることもできます。

 

 

山﨑 拓史

学校法人山崎学園理事長

 

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