欠陥住宅をつかまないためには、工事がスタートした後の行動も重要です。施工業者に任せきりにせず、現場に足を運び、工程を把握・監視することがオーナーには求められます。これまで数多くの「悩める欠陥住宅オーナー」を助けてきた、特定非営利活動法人建築Gメンの会理事長で一級建築士の大川照夫氏が、特に注視すべきチェックポイントについて解説します。

引渡し前には「ダメだし」を!チェック項目を紹介

工事もあとわずかで終了。いよいよ引渡し前の「竣工の立会い検査」という段階です。
ここでは、施工業者や売主の立会いのもと、あなたとあなたの家族が仕上がり具合をすみずみまでチェックします。そこで問題点をみつけて直しを要求することを「ダメだし」といい、それに対応して施工業者が直すことを「ダメ直し」といいます。


「ダメ」というのは工事未完(引渡し前)の状態での文字通りの「ダメ」であり、それを直して工事完了といえますから、「ダメだし」「ダメ直し」というのは建築工事の一部と考えるのが妥当です。したがって、「ダメ」の部分が全部直されて建物が引渡されると同時に残額を支払うのが、通常の流れです。

 

ここでは、引渡し前の最終チェック(一部、入居後のチェック)で注意すべき項目を、参考までにおおまかにまとめてみました。しかし、全ての項目を素人の目で的確に判断することは難しいため、できることなら最終チェックには第三者の建築士に立ち会ってもらうとより確実でしょう。

 

 ★建物全体 

 

□建物がかたむいていないか。

□敷地内の水はけはよいか。

□建物の周辺が陥没していないか。

□外壁に亀裂やハガレはないか。

□雨漏りしていないか。天井に水しみがないか。

□外、上下左右からの騒音はないか(特に、マンション)

□換気は十分か

□木が割れるような音がしないか。

□防火区画ができているか。

 

 ★図面との照合 

 

□開口部の位置や大きさは正しいか。

□給排水、ガス、電気、通信などの配管・配線は適当か。

□スイッチ、コンセント類の位置は適当か。

□使っている材質に間違いはないか。

□設計変更部分の施工は正しいか。

□設計図どおりに施工されているか。

 

 ★安全・衛生 

 

□基礎の高さは十分あるか。

□基礎に亀裂や沈下はみられないか。

□床下、小屋裏の換気孔は適正か。

□台所の換気・防火は十分か。

□赤水・緑水が出ていないか。

□排水はうまく流れているか。

□ベランダや床がたわんでいないか。

□結露はひどくないか。

□シロアリに羽が生えて飛んでいないか。

 

 ★外装 

 

□外壁に異常はみえないか。

□塗り残し、塗りむらはないか。

 

 ★内装 

 

□床鳴りや床の沈みはないか。

□建具の開閉はうまくいくか。

□壁に凸凹はないか。

□閉じた建具に隙間はないか。

□目立つ汚れやハガレはないか。

 

 ★点検口 

 

□床下が非常に湿っていないか。

□目視で金物に異常はみえないか。

□床下、天井裏に残材はないか。

 

 ★清掃 

 

□残土、端材などが放置されていないか。

 

 

大川 照夫

一級建築士

特定非営利活動法人建築Gメンの会 理事長

 

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    本記事は、「欠陥住宅問題に取り組む第三者検査NPO - 建築Gメンの会」のウェブサイト(https://www.kenchiku-gmen.or.jp/)から転載・再編集したものです。

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