2020年に突如として世界を襲った新型コロナウイルスの猛威はいまだ収束を見込めていませんが、それは「投資するべき国No.1」にも選ばれたフィリピンでも同じこと。一方で、コロナ収束後を見据えた絶好の仕込み時と捉える動きも。世界の投資家が注目するフィリピン株式市場について、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターである家村均氏がレポートする本連載。今回はアフターコロナの数年間、安定的に高配当を実施できそうな企業について見ていきます。

長期的な競争力に注目!フィリピン株式の高配当銘柄

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最初に「GMA7」を取り上げます。過去1年間の配当率は15%でした。「GMA 7」は2020年に、同社と並ぶ二大TV局の一つ「ABS」が放映権を更新できず市場からの撤退を余儀なくされたことにより、市場をほぼ独占できるポジションとなり、高収益を記録し、特別配当を実施しました。

 

従来は年間ベースで6~8%の配当利回りでした。当面競合が存在しない状況が継続することを前提とすると、今後2、3年の間は高収益を維持し、年間12~15%の配当が期待できるのではないでしょうか。また、2022年はフィリピン大統領選挙の年でもあります。歴史的に見ても、選挙の年は政治家が多額の広告費を投じるため、メディア企業には大きな追い風です。

 

なお、フィリピンにおける外資規制によって、外国人によるメディア企業の保有ができないため、外国人投資家のためのミラー銘柄として、同社の株価と連動する「GMAP」という銘柄が用意されていいます。

 

フィリピン・メトロマニラ BGC/PIXTA
フィリピン・メトロマニラ BGC/PIXTA

 

次にフィリピンの高配当企業の代表格である「シェル・フィリピン」を紹介します。これは世界の石油メジャー「ロイヤルダッチシェル」のフィリピン現地法人です。通常年間ベースで14~15%の高配当を実施している企業です。

 

ただ残念ながら、2020年はロックダウンによる移動規制と原油価格の下落により純損失を計上したため、無配当になりました。「シェル・フィリピン」の事業は石油小売、つまりガソリンスタンドの運営です。日本ではあまりイメージができませんが、フィリピンはこれからどんどん車の台数が増加していく国ですので、堅調な収益が期待できます。同社は石油精製などバリューチェーンの上流工程は行っていません。ちなみにフィリピンの石油会社で製油所を持っているのは「PETRON」だけです。

 

長期的な観点から見ると、当然フィリピンでもEV(電気自動車)シフトが起こっていくわけですが、かなり緩やかなシフトと考えられています。数年前には、ガソリンスタンドに充電ステーションを設置する計画がありましたが、そのための法整備が進んでおらず、まだ相応な時間がかかりそうな状況です。

 

次に「SEMIRARA」をみていきます。「SEMIRARA」は発電用の石炭採掘を行っているマイニング企業です。SEMIRARA島(実際にはボラカイに近い)で石炭を採掘し、それをバタンガスにある自社の発電所に供給しています。「SEMIRARA」の懸念は、政府が最近、新しい石炭発電所の設置を認めないという法律に署名したことです。つまり、石炭火力発電事業は拡大ができないのです。

 

フィリピンにおいても世界的な環境重視の流れの中で、太陽光、地熱、風力などのクリーンエネルギーへのシフトは当然進んでいくわけですが、ガソリンスタンドのところでも話しましたように、シフトのスピードは先進国に比べてかなりゆっくりとしたものになると考えられています。逆に石炭火力発電への新規参入はないわけですから、ある意味当面の間ブルーオーシャンを享受できるわけです。

 

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    ※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
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