「家賃滞納は普通の人が堕ちる破滅への入り口である。」……2500件以上の家賃滞納トラブルを解決してきた、OAG司法書士法人代表の太田垣章子氏。同氏は書籍『家賃滞納という貧困』(ポプラ社)のなかで、その悲惨な実態を明かしている。

多額の収入をすべて「酒」に…義家族へ恐ろしい逆ギレ

宏さんの言葉の端々には、法律の専門用語がでてきました。手続きの流れも驚くほど把握されています。もしかして司法関係者かも……。ピンときた私は、電話しながら検索してみると、同姓同名の弁護士が存在しました。

 

「じゃあ、先生は、どうお考えですか」

 

思い切ってカマをかけて聞いてみると、「訴外で和解をお願いしたい」と専門用語での返答がありました。やはり電話で話している相手は、先ほどパソコンで検索した弁護士その人なのでしょう。電話をかけてきたときの攻撃的な喋り方は消え、落ち着きを取り戻したようでした。

 

滞納分と強制執行にかかる費用は負担する、それを担保するために、書面を交わす、その代わり玲子さんを被告から外す。宏さんの要望はそういった内容でした。

 

連帯保証人としての責任を果たしていただけるのであれば、特に異論はありませんから、こちらがそれを了承すると、宏さんの態度は急に柔らかくなりました。

 

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身内の話でお恥ずかしい限りですが、和夫が道を踏み外した原因は酒だと思います。自分で制御できないくらいに、飲んでしまうようなんです。会社でも同僚たちと飲みに行っては、つぶれるほど飲んでしまう。だからそのうち同期の中でも、浮いた存在になったようです。

 

大手企業に勤めているわけですから、それなりの収入はあったはずなんですが、それも全部酒に使っていたようです。それで足りないお金をねだられると、義母はなんども送っていたそうなんですよ。実は今回のことがあるまで、僕たち夫婦も、そんなことはまったく知らなかったので、聞いてびっくりしましたよ。

 

それで、もうお金は送らないようにって、玲子も僕も強く義母に言ったんです。キリがないし、余計に甘えるからって。でも、義母がもうお金は出せないという話をすると、怒った和夫は「金よこせ」って言い放ったそうなんです。お金を無心することはあっても、それまではそんな言い方をしたことはなかったと義母は嘆いていましたよ。

 

それでさすがに義母も気持ちに踏ん切りがついたようですが、そうすると、毎晩のように義母に電話してくるようになったんです。それで、僕が会いに行ったというわけなんです。

 

もう家族で「本人が改心するまでは、手を出さない」って決めたんです。だから、今回の連帯保証人としての責任はきちんと負いますが、それ以降は関わるつもりはありません。

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