「どこにしまっただろう……」と多くの人が一度は不安を覚えただろう、年金手帳。しかし、そんな紛失の心配に怯えることはなくなります。なぜなら、来年の4月に年金手帳の廃止が決定しているから。そもそも、年金手帳にはどのような役割があるのでしょうか。いま一度、年金手帳について見ていきます。

廃止される「年金手帳」は、もういらない?

そんな変遷を経て年金手帳があるわけですが、そこで多くの人が思うはずです。「年金手帳なんて、いらないのでは」と。

 

まさにその通り。そこで業務の簡素化と効率化などを目的に、令和2年6月に関連法案が成立し、令和4年4月から年金手帳は廃止されることになりました。

 

年金手帳が廃止されたら、どうなるのでしょうか?

 

20歳に到達した人や、20歳になる前に厚生年金保険の被保険者になった人など、新たに国民年金の被保険者になった人には、新たに基礎年金番号通知書が送付されるようになります。どのようなものになるか、まだ検討中のようですが、年金手帳を手にしたことがない世代が来年には誕生します。

 

また年金手帳を持っている人は、基礎年金番号を明らかにしなければいけない手続きの際に、そのまま利用することができます。ただ年金手帳をなくした際には、もう再発行の手続きはなくなります。

 

さらに「マイナンバーがあるのなら、基礎年金番号もいらないのは」という疑問もわくでしょうが、いまのところ、基礎年金番号通知書が必要になる場面や、マイナンバーカードがあれば基礎年金番号通知書はいらないのか等、決まっていません。

 

日本年金機構のホームページでは以下のようにあるので、いまのところ、年金手帳、基礎年金番号通知書は大切に保管しておくのがベストです。

 

Q.マイナンバーを届け出れば、基礎年金番号は不要になるということでしょうか。

 

年金の手続きではマイナンバーまたは基礎年金番号を利用していただくこととなりますが、海外に転出された場合や国民年金保険料の口座振替申出などではマイナンバーではなく基礎年金番号で手続きを行っていただくこととなります。基礎年金番号が記載されている年金手帳などは、大切に管理してください。

 

出所:日本年金機構 ホームページより

 

ちなみに総務省の調査によると、マイナンバーカードの交付状況は、2021年5月現在、全国で30.0%。都道府県別にみると、最も交付率が高いのが「宮崎県」で39.9%。市・特別区別に見ると「石川県加賀市」が最も高く65.1%、町村別に見ると「新潟県粟島浦村」が最も高く75.3%。地域によって交付率はバラつきがありますが、昨年の給付金の受取の際に、「マイナンバーがあれば……」と感じた人も多かったでしょうから、これからさらに交付率はあがっていくと考えられます(関連記事:『都道府県「マイナンバーカード交付率」ランキング』)。

 

政府は2022年度末までに、マイナンバーカードを全国民への普及を目指しています。100%に達したとき、基礎年金番号も必要なくなるかもしれまん。これからの動向に注目していきましょう。

 

 

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