本記事では、筑波こどものこころクリニック院長/小児科医の鈴木直光氏の書籍『新訂版 発達障がいに困っている人びと』より一部を抜粋・編集し、「大人の発達障がい」とどのように向き合うべきか、実例をもとに解説します。

翌日、上司が時間を指定して部下を呼び出したが…

この営業マンに用事があったので、翌日、上司は時間を指定して、彼を呼び出しました。

 

上司は15分前からスタンバイしていました。しかし、予定の時間になっても、一向に営業マンが来る気配がありません。結局10分遅れてやってきました。さすがの上司も、溜め息しか出なかったそうです。

 

プレゼンで失敗した時に上司が厳しく叱れば良かったのかといえば、そうではありません。

 

自尊心が傷つき「どうせ自分はダメだ」と怒られる状況に慣れてしまうケースが考えられますし、自閉スペクトラム症によってマイペースで自己中心的なところがある場合は、反省するよりもそのような状況から逃げ出したり、怒る上司を恨んでしまったりすることもあります。

 

上司が彼を本当に一人前の社会人として育てたいと思うのであれば、厳しく怒ることも、優しく接していくのも良い選択とは言えません。それよりも、ADHDの治療を受けるようにすすめることが一番だったのです。発達障がいという病気があることを知り、そしてそれは治療ができるということを知っておくことは、今の会社や上司にとって必要なことだと言えるのです。

 

ここまで見てきたように、年齢に拘わらず、発達障がいによって悩んでいる人は多くいます。しかし、同時に、適切な治療により発達障がいの症状を克服している方も多くいるのです。特に、ADHDの症状を改善する薬による治療は目覚ましい成果をあげています。

 

 

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鈴木 直光

筑波こどものこころクリニック院長・小児科医
小児神経学会認定医博士(医学)

 

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『新訂版 発達障がいに困っている人びと』より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

新訂版 発達障がいに困っている人びと

新訂版 発達障がいに困っている人びと

鈴木 直光

幻冬舎メディアコンサルティング

発達障がいは治療できる 診断、対処法、正しい治療を受けるために 書版が出版されてから4年、時代の変化を踏まえて最新の研究データを盛り込み、大幅な加筆修正を加え待望の文庫化。 “「発達障がい」は治療ができない…

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