本記事では、筑波こどものこころクリニック院長/小児科医の鈴木直光氏の書籍『新訂版 発達障がいに困っている人びと』より一部を抜粋・編集し、「大人の発達障がい」とどのように向き合うべきか、実例をもとに解説します。

どうにか心を落ち着かせた上司、再び部下に激怒のワケ

想定外の事態です。こういう場合、たいていはパニックに陥ってしまいますが、上司は東京駅から新幹線を使うという次なる手段を冷静に考え、タクシーですぐに行こうと彼に指示しました。

 

ここまでは、上司にも問題がありました。搭乗15分前までに手荷物検査に入るべきだったのです。彼と会う約束を優先したところが落とし穴でした。

 

また、メールが届くかの確認も事前にしなければならなかったのです。タクシーは、東京駅まで急いでくれました。しかし、結局会議のプレゼンに間に合う列車には乗りそびれました。

 

そこで上司は、直接行くことは諦め、関東支店からインターネットのテレビ電話を使い、会議に参加することにしたのです。急遽新幹線で関東支店へ向かうことになりました。

 

なんとか会議の開始に間に合い、プレゼンのスライドを彼が準備し、スライドをめくりました。そこで上司は、再度絶句したのです。

 

画面に映し出されたのは、練り直す前の古いスライドのものだったのです。

 

それでも上司は、皆の前でうろたえてはいけないと、平然と古いスライドでプレゼンを続けました。上司の頭の中は怒り心頭でしたが、部下のそういう行動に慣れていたこともあるのでしょう。

 

そして、今後のためには我慢するだけでなく、なんとかして二度とこのようなミスを犯させないような工夫が必要だと考えました。一日でこれだけのミスが続けば、普通ならクビでもおかしくはありません。心の広い上司だからこそ怒られずにすんだのです。

 

しかし、この話にはまだ続きがあります。

 

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次ページ翌日、上司の呼び出しに…

本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『新訂版 発達障がいに困っている人びと』より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

新訂版 発達障がいに困っている人びと

新訂版 発達障がいに困っている人びと

鈴木 直光

幻冬舎メディアコンサルティング

発達障がいは治療できる 診断、対処法、正しい治療を受けるために 書版が出版されてから4年、時代の変化を踏まえて最新の研究データを盛り込み、大幅な加筆修正を加え待望の文庫化。 “「発達障がい」は治療ができない…

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