昨今、メディアなどで取り上げられるようになった、起業と会社の売却を繰り返す「連続起業家」。M&AアドバイザリーサービスだけでなくM&A後の統合作業や組織再編、事業再生などのサービスを提供する株式会社すばる代表取締役で公認会計士の牧田彰俊氏が「連続起業家」になりやすい人について解説します。

連続起業家はエリートよりも自由人が多い?

A氏もB氏も、もともとはいわゆる「優秀なエリート」というタイプの人物でありませんでした。どちらかといえば、会社組織に縛られるよりも自分の好きなことを自由に追求したいという、自由人タイプです。

 

そして、私がこれまで見てきた範囲では、連続起業家として成功しているのは、どちらかといえば、自由人タイプの人が多いような気がします。もちろん、一流大学を卒業して有名企業に勤めてから、そこをスピンアウトして起業をして成功している人もたくさんいるので「どちらのほうがいい」と決めつけることはできません。

 

しかし、既存の企業社会でエリートとして成功するための資質と、連続起業を成功させるための資質とは、かなり異なるものがあるように感じます。

 

これは、ロバート・キヨサキ氏が『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』(筑摩書房)で述べられている、キャッシュフローをどこから得ているのかという視点からの4区分をヒントに考えるとよく分かるかもしれません。キヨサキ氏の書籍では、以下の「E・S・B・I」4つの区分を円状で区切った図が、「クワドラント」と呼ばれています。

 

E:従業員(Employee)

会社勤めや公務員など、給料をもらって生活している人のことです。

 

S:自営業者(Self-employed)

個人商店の店主、士業、フリーランスのデザイナーなど、顧客に直接サービスを提供して、その対価を得ている人のことです。自分で自分を雇っている、と考えられます。中小企業であれば、従業員を雇用していても、社長自身も現場で働いていたり、業務のすみずみまで社長がチェックしたりしないとうまくいかない、ということが珍しくありません。このような場合もこのカテゴリーに入ります。

 

B:ビジネスオーナー(Business owner)

経営者という意味ではSと同じですが、この区分では、自律的に回っていく事業のシステムを保有・管理し、それを区分して売れることがポイントです。フライチャイズチェーン(元)のオーナーのイメージです。

 

I:投資家(Investor)

お金を使ってお金を稼ぐ人です。お金が増えるところを見つけて、そこにお金を配置することが投資家の仕事です。

 

高学歴なエリートの人たちは、E(従業員)として、いわゆる一流企業に就職したり、高級公務員(官僚)になったりして、それなりに高い生涯収入と比較的安定した生活を得ることができます。一流企業でも終身雇用は崩れているとはいえ、中堅・中小企業に比べれば、伝統的な一流企業は格段に安定しています。

 

また、司法試験に合格して弁護士になるように、知的なリソースを活用することで、S(自営業者)として成功する道もあります。こちらは、安定性という面では一流企業のE(従業員)より劣るかもしれませんが、成功すれば、さらに高い生涯年収を得ることも可能です。

 

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