先週の米ドル/円は、約1ヵ月もの間続いた108.5~109.5円中心の小動きを抜け、一時110円台に到達しました。FX開始直後から第一線で活動している、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏は「このまま3月末に記録した高値『110.9円』を更新し、111円を上回るかが6月相場の最大のテーマ」と述べています。今回は吉田氏が、米ドル/円を中心に6月の為替を予想していきます。

米ドル/円は米金利・日米金利差と「正の相関」続く

図表5は米ドル/円と金利の相関係数の推移です。これは係数がプラスだと「正の相関」、つまり同じように動いている意味であり、係数がマイナスだと「負の相関」、つまり逆の動きになっています。

 

これを見ると、米ドル/円は米金利及び日米金利差と、今年に入ってから一貫して「正の相関」が続いていることがわかります。一方で、図表6はユーロ/米ドルと金利の相関係数ですが、こちらは5月に入ってから米金利と「負の相関」に転じ、独金利との「正の相関」が続いています。

 

 

出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成
[図表5]米ドル/円と金利の相関係数 (2021年1月~) 出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

 

 

出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成
[図表6]ユーロ/米ドルと金利の相関係数 (2021年1月~) 出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

 

4月初めに米金利急騰が一段落し、以後はボラティリティー(変動率)自体低下しており、為替相場への影響力も相対的に低下、とくにユーロ/米ドルなどは独金利の影響力の方が大きくなっているようです。そういったなかでも、米ドル/円は米金利との基本的な「正の相関」は続いているようです。

 

米ドル/円は米金利次第、といった基本構図が変わらないのであれば、6月にこの間の高値を更新し、111円を超える米ドル一段高が起こるかどうかは、米金利上昇がどこまで再燃するかがカギとなるでしょう。
 



 

吉田恒

マネックス証券

チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長

 

 

 

※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

 

 

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