米ドル/円は米金利・日米金利差と「正の相関」続く
図表5は米ドル/円と金利の相関係数の推移です。これは係数がプラスだと「正の相関」、つまり同じように動いている意味であり、係数がマイナスだと「負の相関」、つまり逆の動きになっています。
これを見ると、米ドル/円は米金利及び日米金利差と、今年に入ってから一貫して「正の相関」が続いていることがわかります。一方で、図表6はユーロ/米ドルと金利の相関係数ですが、こちらは5月に入ってから米金利と「負の相関」に転じ、独金利との「正の相関」が続いています。
4月初めに米金利急騰が一段落し、以後はボラティリティー(変動率)自体低下しており、為替相場への影響力も相対的に低下、とくにユーロ/米ドルなどは独金利の影響力の方が大きくなっているようです。そういったなかでも、米ドル/円は米金利との基本的な「正の相関」は続いているようです。
米ドル/円は米金利次第、といった基本構図が変わらないのであれば、6月にこの間の高値を更新し、111円を超える米ドル一段高が起こるかどうかは、米金利上昇がどこまで再燃するかがカギとなるでしょう。
吉田恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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