失業等給付には会社からもらう「離職票」が必須
定年後も働きたいという意思は持っていても、まだ次の就職先が決まらない。こういうときには、失業等給付が受けられます。一般的には失業保険の名で知られていますが、正式には失業等給付といいます。
これを受給するために必要なのが「離職票」です。離職票は1と2があり、勤務状況や直近の賃金の状況、離職理由などが書かれています。
離職票は会社からもらいますが、すぐに受け取るのは難しいかもしれません。というのも、会社側は退職の翌日から10日以内に雇用保険の手続きを行うことになっているからです。会社の都合もありますから、早くしてくれと文句はいえません。退職する前に、いつごろ離職票を出してもらえるか確認するといいでしょう。
受け取った離職票は住所地のハローワーク(公共職業安定所)へ提出します。自分で手続きを行うことになりますから、所在地や電話番号などはあらかじめチェックしてください。
「健康保険証」は返却前にコピーを取っておくといい
会社員時代は勤務先が加入している健康保険が使えました。もちろん退職するぎりぎりまで有効だとはいえ、退職後は使えなくなります。
退職と同時に、いま使っている保険証(健康保険被保険者証)は返却しなければなりません。自分の保険証だけでなく、家族の分も返します。
もっとも、日本は国民皆保険の国ですから、この保険証を返したといっても、いずれか別の健康保険に入ることになります。保険証の体裁はどれもほとんど変わりませんが、番号や記号、色などは変わります。
念のため、返す前に現在加入している保険証のコピーを取っておくといいでしょう。コピーは家族の保険証も忘れずに。
これから病院のお世話になる機会が増えてこようかという年代とあって、ますます健康保険の重要性は高まるでしょう。
会社へ返却するものの「一覧リスト」を作成しチェック
退職をする際には会社から受け取るものもあれば、返すものもあります。
社員証や名刺といったその会社の社員であることを示す身分証の類、会社から支給された備品などはすべて返却します。制服がある場合はクリーニングをして返すほうがベターでしょう。
いままで使っていた保険証も返すものの1つ。返却時には家族の分も持参することを忘れないようにしてください。もし、通勤定期券が現物で支給されているなら、定期券も返します。
大きなものはそうそう返し忘れないと思いますが、小さなものはうっかりしてしまうケースもあります。「あれ、ロッカーの鍵がポケットに入っていた」などということがないように気をつけましょう。
返却するものを一覧リストにしてチェックしていけば、うっかり忘れを防げます。
長尾 義弘
ファイナンシャルプランナー、AFP
中島 典子
税理士、社会保険労務士、CFP