ビジネスモデルを理解できてないと出てこない一言
黒字社員:実は、ウチの登録者は管理部門の人材が多いんです。業界では、ウチより大きいところはいくつもありますが、管理部門の人材登録者数では負けません。あと、ウチのアドバイザーは、管理部門出身者が多いので、企業の求める人物像もよく理解できるんです。
取引先:へえー、管理部門に強い人材紹介会社なんですね。
黒字社員:そうなんです。ですので、管理部門の人材ニーズがありそうな先を効率的に探したいと考えているんですけど……。確か、(取引先の)Aさんは、会計事務所との取引が多いっておっしゃってましたよね?
取引先:そうですね。会計事務所は数十件と取引していますよ。
黒字社員:いくつか有力な会計事務所をご紹介してもらえないでしょうか?
取引先:なるほど。会計事務所を開拓できたら、営業しやすいんですね? 大きい会計事務所だったら、抱えているクライアント数も多いだろうし、管理部門の実情については一番わかってそうですしね。
黒字社員:そうなんです! 実は、こちらも人材紹介の営業先で、いい会計事務所を紹介して欲しいというニーズをよく聞くんです。そんなときに、その会計事務所を紹介できることにもなるので、お互いにとってメリットがあると思うんですよね。
取引先:それは、会計事務所にとってもいい話ですね。了解しました。明日にでも、有力な10事務所くらいに打診しておきますよ。
黒字社員:ありがとうございます! 10事務所も打診していただけると、本当に助かります。コロナ明けにでも食事をごちそうさせてください。
取引先:いいですよ。でも割り勘で大丈夫です。
黒字社員:いえいえ、授業料はちゃんと支払わないと(笑)。
このように、営業の進め方からも、赤字社員と黒字社員を見抜くことができます。会社にはすべて、その会社なりのビジネスモデルがあります。
黒字社員は、このビジネスモデルをきちんと理解し、「誰に」「何を」「どのように」を深く掘り下げて考えながら、仕事に取り組んでいます。
・弊社の商品を喜んで買ってくれるお客様はどういった人なのか?
・どうすれば、そのお客様を効率的に見つけることができるのか?
・お客様がほかに欲しがっているのはどんな商品なのだろうか?
こういったことを常に考えています。ですから、お客様から無理難題を頼まれたときでも、どうすれば会社の利益につなげられるかがわかるのです。
そして、自腹も惜しまず、会社の利益につながる行動をとります。一方の赤字社員は、お客様から無理難題を頼まれたときには、逃げるように帰ってきます。
それが、会社のビジネスモデル上、重要な見込客であったとしてもお構いなしです。これからは、会社のビジネスモデルをしっかり理解して、仕事に取り組みましょう。
香川 晋平
K&P税理士法人 代表社員
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