老後の生活は55歳からの準備にかかっています。ここで、大切な収入として確認しておきたいのが退職金。受け取り方によって、税金と社会保険料にって手取りが少なくなるため、注意が必要です。また、不動産や保険といった資産の洗い出しも要チェック。老後の資産計画の見直し方を学びます。※本連載は、長尾 義弘氏、中島 典子氏の共著『金持ち定年、貧乏定年』(実務教育出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

あなたは自分の退職日がいつか知っていますか

55歳になると、いよいよ定年が見えてきます。はたして金持ち定年になるか、貧乏定年になるか、ここが大事な分かれ道です。あなたの老後は、これから定年までの貴重な時間をどう過ごすかにかかっています。

 

定年制とは就業規則等で一定の年代になると、労働契約が自動的に終了する制度ですが、厚生労働省の平成28年就労条件総合調査によると、95%の企業が定年制を採用しています。退職する年齢を「一律に定めている」企業のうち、60歳を定年とする企業は80%、65歳以上は16%です。

 

60歳で定年退職して、その後は勤務延長制度か再雇用で働くパターンがまだまだ多いのが現状のようです。

 

定年リタイアする、あるいは働く。どちらを選ぶかによって、家計にも大きな影響が出るという。(※写真はイメージです/PIXTA)
定年リタイアする、あるいは働く。どちらを選ぶかによって、家計にも大きな影響が出るという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

ここで質問です。あなたは自分の退職日がいつか知っていますか。

 

たとえば、60歳になった日でしょうか。それとも60歳になった年度末でしょうか。この差は大きいですよね。わからない人は、すぐに会社の規定を確認しましょう。

 

さて、定年で最も変わる部分といえば、仕事と答える人が多いと思います。

 

この時期のキーポイントは、ズバリ「仕事」です。あなたの前には、定年リタイアする、あるいは働くという2つの選択肢があります。どちらを選ぶかによって、家計にも大きな影響が出ます。ですから、自分ひとりで決めるのではなく、家族とも早めに相談しておくといいですね。

 

また、定年にまつわる実務も確認しておきたいものです。

 

失業等給付(基本手当)、健康保険、自分の年金、妻(配偶者)の年金など、定年した直後にはやるべき手続きが満載です。退職する年齢が60歳か65歳か、さらには65歳以上も働き続けるのかといった状況によっても、手続きは変わってきます。

 

具体的に動き出すのは定年を1ヵ月後に控えたあたりからになりますが、事前に把握しておくことは大事です。

 

というのも、選択肢は1つとは限らないためです。手続きを終えてから、あちらがよかったと悔やんでも後の祭り。お得な方法を知っていれば、老後にも大きな差がつきます。

 

「定年は手続きを知り、賢く選ぶ」

 

これが金持ち定年への第一歩です。

 

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金持ち定年、貧乏定年

金持ち定年、貧乏定年

長尾 義弘
中島 典子

実務教育出版

サラリーマンであれば必ず訪れる人生の大イベント、定年。 手続きが煩雑な上、一歩間違えると大損することも! 失敗すれば、老後資金にもつながる大問題。会社の関連部署が教えてはくれますが、準備は本当に万端ですか?…

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