近年、「老後破産」や「下流老人」とう言葉をよく耳にするようになりました。定年後の暮らしに不安を抱く人は少なくないでしょう。「金持ち定年」になるか「貧乏定年」になるかの分かれ目は、リタイア前の準備にかかっています。これからどのように備えていけばよいのでしょうか? 資金計画を立てる第一歩として、まずは年金額から確認していきましょう。※本連載は、長尾 義弘氏、中島 典子氏の共著『金持ち定年、貧乏定年』(実務教育出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

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    資金計画の第一歩は「ねんきん定期便」のチェック

    定年後の大事な収入源は「年金」です。

     

    まずは年金の基本を押さえておきましょう。

     

    年金とひとくくりにしていますが、公的年金には「国民年金」と「厚生年金」の2つがあります。国民年金から支給されるものを「老齢基礎年金」、厚生年金から支給されるものを「老齢厚生年金」と呼びます。

     

    老齢基礎年金は、職業を問わず受給資格がある人すべてが受給できる年金です。一方、老齢厚生年金は会社に勤めて、厚生年金に加入した人が対象になります。

     

    つまり、会社員は2種類の公的年金を受け取れるわけです。

     

    給料から天引きされているので気に留めなかったと思いますが、両方の保険料を納めていたのです。

     

    さて、今後の資金計画を立てるためにも、いつから、いくら年金がもらえるのかは気になりますね。これは「ねんきん定期便」で確認できます。

     

    年金は原則65歳からの支給ですが、それより前にもらえる人もいます。金額はあくまでも現状を元にした見込みですが、大まかなことはつかめるはずです。

    50歳以上は「老齢年金の見込み額」「加入期間」を必読

    ねんきん定期便は毎年誕生月になると、日本年金機構から国民年金・厚生年金保険の加入者(被保険者)に送られてきます。節目の年といわれる35歳、45歳、59歳は封筒で、年金加入記録の確認方法などを詳しく記したパンフレットが同封されています。それ以外の年はハガキです。

     

    50歳を境にして、内容にはちょっと注意が必要です。50歳以上はこれまでの加入実績に応じた年金額から、老齢年金の見込み額へと記載が変わります。実際に受け取る年金により近い金額になりますから、ここは必ずチェックしましょう(⇒【画像:ねんきん定期便(ハガキ)の見方】)

     

    もうひとつ、年金の加入期間も忘れずに確認してください。もらえる年金額は、加入年数に応じて変わってきます。

     

    2017年の8月から要件が緩和され、10年以上加入した人には年金が支払われるようになりました。加入記録に記載されていない職歴や国民年金の加入期間があるときは、できるだけ早めに年金事務所へ記録照会を申し出ましょう。漏れがあると、年金額にも影響が出る恐れがあります。

    共働き夫婦が年金を「プラスで受け取れる」条件

    最近は、フルタイムで共稼ぎという家庭も多くなっています。妻(配偶者)がフルタイムで働いている場合は、夫と同じように国民年金と厚生年金を計算します。

     

    たとえ途中で退職し以後は勤めていなくても、厚生年金に1年以上加入した経験があれば、60歳以降に支給される特別支給の老齢厚生年金と、65歳以降の老齢厚生年金を受け取ることができます。

     

    夫の扶養範囲内でパートやアルバイトをしたけれど、厚生年金には一度も加入していない人は、国民年金のみになります。

     

    もし、妻が昭和41年4月1日以前の生まれなら、振替加算があるかもしれません。厚生年金や共済年金の加入期間が合計20年未満で、加給年金を受けていた場合です。

     

    妻が自分の老齢基礎年金を受け取れる65歳になると加給年金は打ち切られますが、かわりに振替加算がプラスされます。

     

     

    長尾 義弘

    ファイナンシャルプランナー、AFP

     

     

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    長尾 義弘
    中島 典子

    実務教育出版

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