(※写真はイメージです/PIXTA)

介護現場において、利用者の心地のよさや満足感だけを重視するサービス提供だけでは、高齢者たちの自立の機会を奪ってしまう――。最期まで寝たきりにしないことが、真の「利用者ファースト」ではないのでしょうか。しかし、リハビリには転倒や誤嚥等のリスクもあり、多忙を極める現場では対応に限界があります。そこに見えたのが「ケアミックス」という考え方でした。

いろいろな介護業界の職種の人たちと協力しては…

私は介護業界という大きな枠組みのなかでいろいろ考え、日常生活の行為を通じての運動指導という形で介護職にも関わってもらおうという発想に早くから至ったのです。自分のなかに「ケアミックス=複合的な総合ケアサービス」という思想が生まれてきたときです。

 

もしも創業当時、必要十分に療法士を採用できていたら、私の会社はいまのような形にはならなかったのではないか。あるいはなるにしても遅かったのではないかと思います。

 

そのときに新しい人財は採用できなかったけれど、周囲の利用者はこういうケアを必要としている。ならばいろいろな介護業界の職種の人たちがいるのだから、彼らと協力し合うことで、もっとクオリティの高いサービスを提供できるのではないか。そういうことに気づいたのです。

 

だから、私はしきりに「多職種協働」「総合ケア」という言葉でビジネスモデルを語っていました。ただ当時は縦割り行政の影響もあり、訪問看護/介護/リハビリは事業所内でしっかり区切れ、そういう指導がされていました。制度に基づいた指導ありきで、なかなかケアミックスという考えは受け入れてもらえない状況にあったのです。

 

それでも在宅ケアというなかで多様な職種が関わる。リハビリがあって、介護があって、看護がある。それを実際に図に描いたりもしていた。とはいえ、その理想を描いてから、それを実現するまでには、とても苦労しました。

 

 

二神 雅一

株式会社倉心會 代表取締役

 

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本物ケア

本物ケア

二神 雅一

幻冬舎メディアコンサルティング

「寝たきり」や「リハビリ依存」の高齢者。必要以上のサポートを行う過度な介護が、高齢者から身体機能回復のチャンスを奪い、自立を妨げているのです。 20余年にわたり介護業界で活躍してきた著者が掲げる「本物ケア」は、…

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