不動産オーナーを悩ませるトラブルの代表的なものとして、入居者の迷惑行為があります。なかでも家賃滞納や、不適切な利用による物件の毀損などは代表的で、対処にあたるストレスは並大抵ではありません。本記事では、そんな困ったトラブル事例と解決策を紹介します。

所有物件が「オレオレ詐欺の現場」として報道され…

 

不動産検索サイトを覗いてみると、東京都心部でも、1坪5,000円~6,000円(20㎡で月額3万円台)と家賃激安の賃貸事務所を見つけることができます。そのほとんどが昭和築の古い物件で、5階建て以上でもエレベーターがついていません。そしてこれらの物件には、古いだけでない、別の「安い理由」があったりします。

 

 事例1  スタートアップ企業を支援できると思っていたら…

 

東京都内の地下鉄駅から徒歩5分にある小規模事務所(約6坪・家賃6万円)の賃貸募集に、20歳代のIT系企業経営者から入居申込みがありました。家主は「若い起業家のスタートアップを支援できるなら」と、快く契約に応じました。

 

IT系ということなので、家主がOAフロアの敷設をと提案したところ、通信設備は携帯電話で足りるので不要だと断られました。この入居者は契約から半年足らずで退去してしまったのですが、後日警察から電話があり、この事務所がオレオレ詐欺の拠点に使われていたことが判明しました。

 

 事例2  後を断たない落書きや張り紙

 

都内某所の官公庁街にある中規模事務所(約30坪・家賃30万円)に、架空請求・誹謗中傷トラブルといったネット犯罪を専門とする弁護士法人が入居しました。

 

すると、事務所建物の外壁にその弁護士らを名指しした落書きや張り紙が繰り返されるようになりました。おそらく、ネット犯罪の加害者らによる嫌がらせだと思われます。結局、いたたまれなくなった弁護士法人は早々に退去していきました。しかし、退去後もなかなか落書き被害は収まらず、次の入居者が決まるまでに相当な時間を要しました。

 

賃貸物件は、一度でも犯罪がらみの問題が生じると、いつまでも悪い噂がこびりついてしまうものです。

 

オレオレ詐欺に利用された小規模事務所は、事件報道で住所が特定されてしまったため「事故物件」として扱われ、以後は家賃を下げて募集せざるを得なくなりましたし、弁護士法人が入居していた中規模事務所も、落書き被害の噂が薄れるまでは低家賃で募集を続けるしかありませんでした。

 

これらの物件を所有する不動産投資家は泣くに泣けません。

 

 

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※本記事は、「ライフプランnavi」に掲載されたコラムを転載・再編集したものです。

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