(※写真はイメージです/PIXTA)

賃貸経営において最も重要なのは、物件の管理だといえます。本業の傍らでアパート経営をするオーナーの場合、多くの方が「管理委託」を選択することになりますが、どのような管理会社に任せるかによって、結果は大きく異なってきます。専門家が賃貸運営のポイントと着眼点について解説します。

オーナーの最終的な仕事は「判断すること」

他の事業同様、経営者の最終的な仕事は「判断をする」というものです。アパート経営も例外ではありません。

 

自主管理にしろ、管理(経営)委託にしろ、最終的な判断はオーナーさんがしなければなりません。

 

自主管理の場合は自分で店に立って直接マネジメントしているわけですから、各業者に細かいところまですべて自分で指示を出し、判断する必要があります。管理委託している場合は、管理会社からの報告を受けて判断をするということになります。

 

そして、管理委託するアパートオーナーさんにとって、どのような管理会社に委託するかという判断はとても重要です。

 

実際、管理委託する場合においては、委託する管理会社の能力や手腕によって、入居率、ひいてはアパート経営の成否自体が大きく左右されることは間違いありません。

 

実際、当社に管理をご相談いただく物件のなかには入居率が5割を切っているものも多く、当社が管理を引き受けてから3ヵ月程度で満室になるという事例も多々あります。要は管理のやり方によって大きく変わるということです。

 

ですから、現在の運営状況を分析して、今後の運営がうまくいかなそうだということであれば、管理会社を変更するというのも一つの大切な判断です。

 

管理会社が悪いというのは言い訳にすぎません。その管理会社に委託するという判断をしているのが自分自身なのですから。

 

特に、親の代からの知り合いだから、近所付き合いの延長線上で、といった「しがらみ」のなかで管理をお願いしているようなケースはよくある話であり、注意が必要です。

 

昔は管理会社の能力によってアパート経営の成否は分かれませんでした。住宅不足の時代には、普通にやっていれば常に入居者が入っている状況が続いていたので、管理会社の能力以外の要素(例えば、古くからの人間関係など)で管理会社を選んでも問題はありませんでした。

 

しかし、今後はそのようなわけにはいきません。

 

その管理会社が、利益を最大化するという視点で業務を任せられる相手かどうか、というシビアな視点は不可欠になってきます。

 

そして、優秀な管理会社が見つかったなら、その後オーナーさんの役割は、運営上においてどのようなものになるのでしょうか?

 

答えは、たった一つだけ、最終の判断をすることです。

 

具体的には、管理会社からの提案や要望に対して、YES or NO をジャッジすることが、オーナーさんの唯一の仕事となります。

 

例えば、長期的に見て、建物維持の観点から大規模修繕が望ましいという提案があったとします。この提案に沿って工事を行うのか、それとも行わないのかは、最終的には物件の所有者であるオーナーさんの判断次第ということになります。

 

また、家賃の不払いを続けている不良入居者がいた場合、法的手段に基づいて退去してもらうのか、それとも払ってもらうために粘り強く交渉していくのか、という判断もオーナーさんの役割となります。

 

これらはすべて、経営を任せている管理会社からの報告、提案、さらにはその管理会社(および担当者)の意見に基づいて判断を下す必要があります。

 

そのためにも、きちんとした提案をし、意見をしてくれる管理会社の存在が重要になってくるわけです。

管理費(管理フィー)の相場は?

管理を委託する場合には、管理会社に対して管理手数料を支払う必要があります。管理手数料は、一般的にその物件から生み出される家賃収入に応じて何%という形で課されるケースがほとんどです。

 

なかには、一世帯当たりいくらという料金体系や、物件ごとに完全に定額という料金体系で行っている会社もあるようですが、受け取る家賃収入に応じて課金されるケースが最も多いでしょう。

 

管理費は地域によって若干慣習が異なります。関東圏における、居住系のアパートでは、家賃収入の5%前後というのが一般的な相場です。これ以外に発生するものとして、清掃や各種法定点検、エレベーター保守等の建物管理の費用があります。

 

また、更新料が発生した際には、受け取った更新料の半分程度を事務手数料として管理会社に支払います。新規に入居者を入れる場合には、家賃1カ月分の金額を、広告料として支払うのが一般的です。

 

 

大谷 義武
武蔵コーポレーション株式会社 代表取締役

 

太田 大作
武蔵コーポレーション株式会社 専務取締役

 

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※本記事は、『空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式』(幻冬舎MC)より抜粋・再編集したものです。

[増補改訂版]空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式

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大谷 義武,太田 大作

幻冬舎メディアコンサルティング

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