近未来の消費者洞察データを基軸にイノベーション支援を展開する、株式会社SEEDATA代表取締役社長の宮井弘之氏は、周知の事実や世の中の常識に囚われずに成功するための思考法を説いています。

新卒で人気産業へ…30年後にリストラ対象になる理由

例えば、この数年ネット経由で印刷発注できるサービスが業績をかなり伸ばしているのですが、これは良い企業が伸びている側面に加えて、市場全体がかなりの勢いで拡大しているのです。

 

ですから、今ネット印刷事業を始めればどんな会社でもある程度は儲かるという追い風があって、そこに乗っかることができれば、それほど他社と差別化しなくても成功できたのだそうです。成長分野には恐ろしいほどの追い風が吹いていて、それをあとから振り返れば「運が良かった」となるのですが、要は参入するタイミングのことです。

 

この「タイミング」は、起業だけでなく何を行う際にも重要になります。一般に、事業の寿命はおよそ30年だといわれています。

 

そのため、新卒社会人が当時の人気産業に就職した場合、30年後には斜陽産業になってリストラの対象になるという笑えない話もあります。例えば1950年代には鉄鋼業、造船業、鉱工業が人気でしたが、今それらの産業は往時の勢いを失っています。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

1980年代に勢いのあったカメラや半導体やコンピュータの業界も、時代と環境の変化によって衰退しました。ですから、人気産業に就職した新卒社会人は、どちらかといえば衰退する市場に身を投じたと考えられます。

 

一方で、インターネットやソーシャルゲームといった、当時はまだ海のものとも山のものともつかないベンチャー業界に飛び込んでいった人たちは、時流に乗って右肩上がりに成長する市場のなかで、脚光を浴びることになりました。

 

ですから、独立や転職など、新しいことへの挑戦を考える際には、どの業種にするかとか、会社の規模をどうするかとかよりも、時流に乗っていけるかどうかを洞察することが有効です。

 

まったく興味がない業界に行く必要はありませんが、第一志望ではなくても時流に乗っていけそうな業界、勢いのある会社であれば、自然と売上も規模もやりがいも大きくなって、就職後に充実した思いができる可能性が高くなります。

 

時流に乗っているかどうかは、儲かっているかどうか、安定しているかどうかとはちょっと異なります。その当時は儲かっていても将来的な衰退が予測されたり、不動産収入で安定した収入があっても本業は衰退のサイクルにある会社もあります。

 

ニュースを見聞きしたり、自分で仮説を立てて未来予測をしてみたり、実際に働いている人の言葉に耳を傾けたりすることで見えてくるものもあるのです。

 

 

宮井 弘之

株式会社SEEDATA 代表取締役社長

 

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