(※写真はイメージです/PIXTA)

日本人の平均寿命は延び、男性の4人に1人、女性の2人に1人が90歳まで生きるとされています。もし65歳で定年退職すると、残り25年間は、医療費の上昇などで支出増加が予想されるなか、年金と貯蓄だけで生活する必要があります。そこで今回は、将来の支出増加に備えて生活費から削れるものを考えていきます。※本連載は、岩崎博充氏の著書『「年金20万・貯金1000万」でどう生きるか - 60歳からのマネー防衛術 -』(ワニブックス)より一部を抜粋・再編集したものです。

住宅ローン…退職金で完済、繰上げ返済の手数料に注意

住宅ローンは、できるだけ退職金をもらった時点で完済してしまいましょう。退職金をもらった後も、引き続き働きながら、返済を続けていく人もいますが、住宅ローンは低金利とはいえ利息がつきます。仮に1%台や2%台であっても、利息がつくぶん、やはり無駄な出費です。できることなら一刻も早く返済してしまうのがいいと思います。

 

ただし、注意しなければいけないのは、繰り上げ返済には手数料がかかることです。あと数年で返済完了という人は、残債の利息よりも手数料の方が高くなってしまう場合がありますので注意しましょう。

 

借入金額や返済パターン、金利、期間によるローン利息、繰り上げ返済などはさまざまなホームページで概算シミュレーションができますので試算してみてください。その上で金融機関に直接相談してみてはどうでしょうか。

借金…「リボ払い」「分割払い」での買い物はしない

どんなタイプのものであれ、とにかく定年後「借金」はしないようにしましょう。借金には必ず利息がつきます。住宅ローン同様に、利息は預貯金の利息よりもはるかに高い水準にありますから肝に銘じておきましょう。

 

すでに借金があるという人は、退職金で即座に返しましょう。利息にかかる費用は割高です。とくに、銀行やクレジットカードのカードローンなどは、ATMで簡単に借金できますが、金利の高さは10~15%にも達します。テレビコマーシャルで「気軽に」「どこでも返済」「誰でも」などと、やたらにカードローンを勧めますが、そんなものを使ってはいけません。ローンは立派な借金です。10万円を1年間借りれば、最高で1万5000円の利息がついてしまいます。

 

またクレジットカードのリボルビング払いも借金の一つです。この利息も非常に高いので要注意です。クレジットカードで買い物する時は、手数料(=金利)のかからない一括払いを選択しましょう。

 

リボルビング払いとは、クレジットカードで買った商品の返済額の合計を、たとえば「月に2万円まで」などと設定するもので、毎月あれこれカードで買い物をしても「毎月2万円のリボ払い」にしておけば、月々の支払いはそれ以上に増えません。

 

「毎月2万ならだいじょうぶ」と思ったらとんでもありません。リボ払いは実質金利が年15%にも達するような借金です。これはクレジットカード会社にとってはドル箱のビジネスになっています。月々の支払いが安いということは、当然金利が高いということなのです。こんなことを続ければ、返済は何年たっても終わらず、利息もどんどんかさんでいくことになります。

 

高齢者に限りませんが、リボ払いは安易に使わないこと。特に年金生活者の「リボ払い」などもってのほかです。

 

また、高齢者に多いのがテレビ通販の「分割払い」ですが、これも、立派な借金。借金の意識がない人も多いでしょうが、ちゃんと金利分が価格に乗せられています。

 

ともかく借金はなるべく早く完済し、買い物はカードの場合は一括払いでリボ払い・分割払いはしない、深夜のテレビ通販は「買わない」のが一番安いのですが、どうしても買いたい場合は、一括払いにしましょう。一括払いで買えないものについては、購入そのものを考え直したほうがいいかもしれません。

 

岩崎 博充

経済ジャーナリスト

 

 

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