コロナ禍で戦う医療従事者の人たち。命の危険にさらされながら、職務をまっとうしている彼らは、それに見合うだけの報酬を得ているのでしょうか。厚生労働省の調査から見ていきます。

診療所の年収は、「入院診療のある/なし」で差が生じます。「院長」であれば700万円、「医師」であれば200万円ほど、入院診療がある施設のほうが年収は高くなります。「看護職員」も入院診療がある施設のほうが年収は高いですが、その差は15万円程度と、医師ほどの差はありません。一方で「薬剤師」は入院診療がない施設のほうが、250万円ほど年収は高くなります。

 

■診療所の医療従事者の年収

「院長」

:入院診療収益あり3465万9368円、入院診療収益なし2745万3672円

「医師」

:入院診療収益あり1232万8951円、入院診療収益なし1010万85円

「薬剤師」

:入院診療収益あり795万0,750円、入院診療収益なし1053万1452円

「看護職員」

:入院診療収益あり403万1195円、入院診療収益なし387万4816円

「看護補助職員」

:入院診療収益あり237万8306円、入院診療収益なし241万8457円

「医療技術員」

:入院診療収益あり399万3401円、入院診療収益なし436万1688円

「事務職員」

:入院診療収益あり312万1668円、入院診療収益なし296万7328円

歯科診療所の歯医者や、保険薬局勤務の薬剤師の年収

歯科診療所について、開設者別に見ていきます。個人経営も多い形態ですが、「歯科医師」は個人でも632万3901円。「医師=高給取り」というイメージとはかけ離れた年収です。ただし医療法人の「院長」は1429万7669円とイメージ通りの年収に。医療法人化しスタッフも抱えるようになると、年収もランクアップという世界のようです。

 

次に保険薬局について、開設者別に見ていきます。「薬剤師」は個人では455万2685円。法人化し「管理薬剤師」となると754万3641円と、年収もランクアップします。また店舗数別に見ていくと、「薬剤師」は店舗数に限らず、450万円前後というのが平均的な水準。「管理薬剤師」であれば、5店舗くらいの経営が最も高く、年収800万円程度。以降は店舗数が増えても年収は減少傾向にあります。ただこの規模感になると、“薬剤師”という肩書ではなくなり、調査では年収が分かりにくくなっている可能性があります。

 

厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、大卒男性の平均年収は637万9300円、女性で451万800円。イメージ通り、「医師」は確かに高給取りと言えますが、それ以外の職種に関しては、平均以下ということも珍しくない、ということがわかります。

 

また同調査は令和元年度のもので、コロナ禍前のもの。年収への影響は見ることができません。また医療機関といっても、コロナ禍において現状はさまざまな。一概に「苦労以上に収入を得ている」とも「苦労の割に収入が少ない」とも言えません。ただコロナ禍の最前線で戦う医療従事者が、収入面でも報われるよう、願わずにはいられません。

 

 

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