航空業界と関連性の深い、2つの注目企業
次は、航空会社ではありませんが、航空需要とビジネスが大きく関係してくる企業として、「メガワイド社(MWIDE)」を見ていきます。同社は3年前にセネコンとして上場しましたが、現在は売上の70%程度をセブ・マクタン国際空港の空港施設のメンテナンス事業からあげています。同社は、セブ・マクタン国際空港ターミナルの30年間の運営権(コンセッション)を政府から得ているのです。セブ・マクタン国際空港は、マニラに次ぐフィリピン第二の都市セブの玄関口になり、現在第2滑走路も建設中で、1250万人のキャパシティーを持つ大空港です。
日本でも空港事業が一部PFIという形で民営化されていて、羽田空港の国際線ターミナルは、「日本空港ビルデング」や航空会社等を主要株主とする「東京国際空港ターミナル株式会社」によって民間が建設・運営をしています。フィリピンは、PFI、コンセッションなどのスキームでの社会公共インフラの民営化が歴史的に活発で、電気はもちろん水道、空港、道路などが民間企業に建設・運営されている事例が数多くあります。
最後に「マクロ・アジア社」を取り上げます。前述の財閥「Lucio Tanグループ」が所有している会社で、ドイツの「ルフトハンザ航空」が49%を所有しています。同社のビジネスは、航空機メンテナンス事業と機内食提供事業です。フィリピンに離着陸するほとんどの航空会社に食事を提供しています。2021年は約4億ペソの黒字化を見込んでいます。現在の株価は4.6ペソ程度と大きく落ち込んでいますが、「ABキャピタル証券」のアナリストのターゲット価格は7.6ペソで65%程度の株価上昇を予想しています。
以上、コロナ後を見据えた航空セクターを概観してきました。これからもフィリピンおよび世界の経済・社会・政治の動きをウォッチしながらホットな話題を提供していきます。
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