日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回、焦点を当てるのは「贈与」。年間で110万円を超える財産を受け取っていれば基本的に納税義務が生じますが、国税庁の資料から「贈与税」の実態を紐解いていくと、世の中には驚くような贈与を受けている人たちがいました。

 

贈与財産(課税分)の分布で見ていくと、1000万円未満が93.9%で9割強。そのようななか、1億円超もの贈与を受けた人は、全国で752人。贈与税課税対象者のわずか0.2%でした。

 

■贈与財産額別人数(贈与税課税対象者)

「150万円以下」20万8129人

「151万~200万円未満」4万5392人

「200万~400万円未満」12万4296人

「400万~700万円未満」6万2916人

「700万~1000万円未満」2万2039人

「1000万~2000万円未満」2万859人

「2000万~3000万円未満」6084人

「3000万~5000万円未満」1687人

「5000万~1億円未満」900人

「1億~3億円未満」514人

「3億~5億円未満」105人

「5億~10億円未満」84人

「10億~20億円未満」24人

「20億~30億円未満」13人

「30億~50億円未満」6人

「50億円以上」6人

 

1億円超えの贈与を受けた人の分布を国税局別*3に見ていくと、「東京」が263人と最も多く34.9%。「大阪」16.6%、「名古屋」12.5%、「関東信越」9.0%と続きます。さらに50億円以上の贈与という、桁外れの贈与を受けた6人の内訳は、「東京」が4人、「大阪」が2人でした。

 

*3:札幌、仙台、関東信越、東京、金沢、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、熊本、沖縄

 

贈与で気を付けたいのが「みなし贈与」。「贈与とみなす」というもので「自分が掛金を負担しないのに、生命保険や損害保険の満期保険金を受け取った場合」や「著しく低い価額で財産の譲渡を受けた場合」など、贈与という意識がなくても贈与とみなされ、贈与税がかかってしまう可能性があります。みなし贈与の判断基準は法律などで決められておらず、裁判の判決などをもとに判断されています。

 

もし贈与税の申告をしないと、延滞税(最大年14.6%)と加算税(15%~40%)が課されます。不動産や土地、株式などの譲渡、多額の預貯金の移動、生命保険の名義変更など、みなし贈与になりやすいケースを行う際は、専門家の指導を受けると安心です。

 

 

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