一見、よさそうに思える土地、でも、こんな問題も…
◎植栽・大木
嫌悪施設とは言えませんが、意外なもので注意しておきたいのは、植栽や大きな木です。近隣に大きな庭を持つ地主がいて、庭にはうっそうと植栽や巨木が茂っているようなケースを思い描いて下さい。
秋になると、近所の落ち葉が自宅の敷地内に入ってきて困っているという相談を何度か受けたことがあります。掃除が大変という話から、屋根の雨どいが落ち葉で詰まったなど、思いがけない問題が出てくるようです。ご近所だから文句も言いづらいし、定期的に庭の手入れもしてくれない、と困っている人もいました。
また、桜の並木道沿いの物件を買った人の中には、落ちる花の掃除が大変、桜の木に毛虫が付いて困った、花見の季節になると花見客にゴミが投げ込まれるなどの問題を抱えている人もいました。
植栽が多い街並みは「綺麗でいいな」と思いがちですが、住んでみたら大変なこともいろいろとあるのかもしれません。
高低差のある土地は「不適格擁壁」と「盛土」に注意
〜一般的に盛土は切土に比べて地盤が弱い〜
・擁壁を作り替えるために何百万円もかかるケースもある
高低差のある土地に設置してある擁壁〈ようへき〉についても注意が必要です。擁壁とは、宅地を造成する時に土砂が崩れるのを防ぐために設けるコンクリートやブロック等の構造物のことです。
2メートルを超える擁壁を設置する場合は、建築基準法で確認申請を提出することが義務付けられています。しかし、法律が施行される前に築造されたもの、確認申請をしていないもの、検査済証のないものが見受けられます。このようなものを不適格擁壁といい、老朽化したものについては倒壊するなどの危険性があります。
現地において確認すべき点は、擁壁にひび割れなどがないか、目地に上下のずれなどはないか、擁壁が傾いていないか、たわんでいないかなど、目視で確認してみましょう。また、擁壁には水を逃がすように水抜き穴を設けています。この水抜き穴がないと排水機能が低下するので倒壊の原因となります。
重要事項説明書で擁壁についての記載がない場合は、不動産業者に調査してもらい、確認申請及び検査済証の交付を受けた擁壁なのか確認しましょう。また、擁壁が必要な土地では、崖地条例や宅地造成規制法などの規制により、擁壁を新しく施工する、または補強工事を行う、もしくは崖地の部分から何メートルか離して建物を建築するなどの指導が入る可能性があります。
擁壁を作り変えるのに何百万円も費用がかかるケースもありますし、崖地部分から何メートルか離して建築するという条件も、後退して残った土地では建築できるスペースがない場合もあります。
・大規模に盛土した地域は、外見からは判別がつきにくい
また、土地を造成する方法として、盛土や切土をするケースがあります。盛土とは土を盛って造成すること、切土とは地山を削って造成することですが、一般的に盛土は切土に比べて地盤は弱いとされています。盛土の土地では、崖崩れや地すべりなどの災害が発生する危険性も十分考えられるのです。
大規模な盛土については、外見では判断が難しいので自治体によっては、大規模盛土造成地マップを公表しています。このマップを参照すると大規模に盛土造成された地域が把握できますので、購入地が該当するかどうか確認することができます。
大規模盛土造成地に該当するからといって地震時にそこが滑動崩落する場所であるとは限りませんが、参考までに取得してみることをお薦めします。
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