現代日本人の約2800万人が発症している「腰痛」のうち、2~3%が「椎間板ヘルニア」だと言われています。しかし医師に相談しても、具体的な対処法がなかったり、一生治らないと伝えられたり、困っている腰痛患者が多いのではないでしょうか。本記事では、現役医師である伊東信久氏が、椎間板ヘルニアの治療法に関する注意点について解説していきます。

医師が解説「腰に負担をかけない動作」

・重いものを持ち上げるとき

面倒でもいったん膝を曲げて腰を下ろし、荷物を身体に引き寄せて全身の力を使ってゆっくりと真上に持ち上げます。中腰で腕の力だけで持ち上げようとするのは厳禁です。

 

[図表2]腰に負担をかけない正しい動作

 

・家事を行うときなど

掃除や洗濯、洗面台で顔を洗うなど、日常生活では前屈みや中腰といった腰や背中に負担のかかる姿勢を取りがちです。なるべく背筋がまっすぐな状態を保つように普段から意識することが必要です。

 

・前屈みになるとき

先に膝を曲げる椅子を利用したり、足台を使うなどして前屈みを予防したり、中腰で作業をせずに片膝や両膝をついて行うようにしましょう。

座り方次第で腰痛にもなれば予防にもなる

本来、人間が座るときは腰骨(仙骨)がまっすぐ立つように座るのが正しい形です。言い方を変えると、「坐骨を座面に突き立てる」のが良い座り方になります。

 

坐骨というのは、座っているお尻の下に手を入れたときに感じる左右一対の骨のことをいいます。この坐骨を座面にまっすぐ突き立てるようにして座ると、腰骨がまっすぐに立った状態になります。すると、背骨もまっすぐ上に伸びていきますから、あとは頭をその線上の背骨に乗せるイメージでバランスを取ります。この座り方をすると、腰だけではなく首にも負担がかからなくなります。

 

この座り方を維持するには、椅子に深く座ったほうが安定します。そうすると、背もたれに背中が触れてはいても頼ることなく座っていられます。

 

そして、足の位置ですが、前にそろえるのが見た目には美しいのですが、腰痛予防という観点でいうなら、前後に置いたほうがよいでしょう。その理由は、足を前後にずらして置くと、手前の足が上半身の支えになって腰が安定し、疲れにくくなるからです。

 

こうして正しい姿勢を保っていれば、腰痛を避けることはもちろん、猫背やストレートネックの予防にもなり、肩こりの改善にもつながります。ですから自宅でくつろいでいるときも、腰が深く沈み込むようなソファは腰痛を悪化させる可能性があるので避けたほうがよいでしょう。

 

[図表3]腰に負担をかけない正しい座り方

 

また、床に座る場合も同様に、座椅子など背もたれのあるものを使い、両足を前に伸ばして少し膝を曲げて、肘掛けに両肘を乗せ、上半身の体重の負担を軽減するように工夫するのが効果的です。

 

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椎間板ヘルニア治療のウソ・ホント

椎間板ヘルニア治療のウソ・ホント

伊東 信久

幻冬舎メディアコンサルティング

多くの現代人の悩みである腰痛・首痛。 その原因の一つである椎間板ヘルニアには、さまざまなウワサがあります。「手術しても完治しない」「安静にしていれば自然に治る」など…。 本書では、そんなウワサの真偽を椎間板…

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