どんなリスクが潜んでいるかわからない「家と土地」。髙橋土地家屋調査士事務所代表・髙橋輝氏の著書『買ってはいけない家と土地』(自由国民社)より一部を抜粋・編集し、自宅を購入する際、借地権を使うメリット・デメリットについて紹介していきます。

建築協定は必ず守らなければいけません

〜建築協定って一体どのような制約を受けるの?〜

 

・建築基準法と建築協定

 

建物を建てる場合は、建築基準法などの法律を順守して建築することになります。建築基準法は建物を建築する際の最低限のルールですし、全国一律の規定なので、地域の特性や地域に適した建築物の規制を十分満足させるものではない場合があります。

 

そこで自分たちの住む街をもっと良好な環境にするために、建築基準法の制限よりも厳しい基準を定めて協定できる制度として、建築協定の制度が設けられました。

 

・建築協定ではどんなことが定められているのか

 

建築協定では、建築基準法で定められた基準を緩和するような協定は定めることができません。建築協定で定めることができるのは、次の例のような内容です。

 

【建築協定で定める内容の例】

 

①建築物の用途は、二世帯住宅を含む専用住宅とする。

②外壁または柱は、隣地境界線から、○メートル以上離す。

③建築物の高さの制限を定める。

④建物の位置は、北側隣地境界線から○メートル以上離す。

⑤道路からの外壁後退距離を定める。

⑥建物のデザインを統一する。

⑦外壁の色について基準を設ける。

⑧建築基準法の建ぺい率・容積率よりも厳しい基準を設ける。

⑨敷地を分割するときの最低限度を定める。

 

こうして見てみると、建物のデザインや色について自由に建築したいと考える人や、建ぺい率・容積率を限界まで利用して建築したい方には、協定の拘束力によって思ったような建物が建てられないということになります。

 

また、最低面積が協定で定められている場合は、土地を規定より小さく分けることができないので、十分注意が必要です。建築協定は、定められた区域内の土地を購入した方すべてに効力が及びます。

 

つまり、その地域の土地を購入した人は、協定内容を守らなければならないのです。ここまで読んで、「建築協定があるのは面倒くさい地域なんだな」と思う方もいるかもしれませんが、協定にはメリットもあります。

 

それは建築協定を結ぶ地域の方は、住環境に対しての意識が非常に高いという点です。住みよい環境を重視している方にとっては、むしろ良好な物件と巡り合えるチャンスかもしれません。

 

 

髙橋 輝

髙橋土地家屋調査士事務所代表

 

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買ってはいけない家と土地

買ってはいけない家と土地

髙橋 輝

自由国民社

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