わが子が幸せになるためには、自立と自律を兼ね備えることが大事……幼稚園の園長として1万組の親子を見てきた、学校法人山崎学園の理事長・山﨑拓史氏による、「子どもが計画力を身につけるヒント」を紹介します。

「良かったね!」を振り返る習慣をつける

園から帰ってきた子に「幼稚園どうだった?」「楽しかった?」と尋ねる親は少なくありませんが、これらの曖昧な質問の仕方が、子どもを困らせている事実に親は気付いていません。

 

思春期の子が、父親の「学校どうだ?」という質問に、「どうって何だよ。ふつうだよ」と答えるシーンがドラマで描かれていることがありますが、まさしくあの雰囲気です。子どもには親が何を知りたいのか、さっぱり分からないのです。

 

実は親のほうも子どもが園や学校で何をしているかよく分からないので抽象的な聞き方になってしまうのですが、答えを引き出したければ、次のような具体的な質問の仕方をしてあげましょう。

 

・園庭では何をして遊んだの?

・教室でどんな歌を歌ったの?

・給食(お弁当)のおかず、どれがおいしかった?

 

質問に少しでも答えてくれたら、「楽しく遊べて良かったね」「今度、ママにもその歌を聞かせてくれる?」「おかずおいしかったって言ってもらえて、ママうれしいよ」と、子どもが話してくれたことを肯定する返答をしてあげましょう。

 

こうした会話を通して過ぎた時間を振り返る作業というのは、計画力を身につけるために非常に有効な手段です。計画はいつもそのとおりに進むわけではありません。予定どおりにいかなかったときにはその原因を突き止め、この先の計画を修正、変更する必要が出てきます。

 

原因を突き止めるためには、これまでの自分の行動や周囲の状況を精査し、「もっとうまくやるにはどうしたら良いか」を考えなければなりません。そのためにも、幼い頃から自分の行動を思い出してみる癖をつけさせてほしいのです。

 

私がおすすめしているのは、「今日の良かったこと」を親子で教え合う時間をつくること。お風呂に入ったときや、就寝前の布団の中がおすすめです。

 

「給食を残さず食べられた」「好きなお友達と遊べた」「先生にお絵描きを褒められた」「一回も泣かなかった」「手洗いやうがいをちゃんとした」など、どんなことでも良いのです。親の側も「パスタがおいしくつくれた」「Aちゃんが、ニコニコ顔で園から出てきた」「タンポポを見つけた」など、日常のちょっとした良かったことを伝えます。

 

そして最後は、声をそろえて「良かったね!」と言います。毎日、繰り返していくと、1年後には「良かった」が365個溜まるのです。

 

小学生になれば、良かったことに加えて、失敗やミスを反省する時間も大切になっていきますが、就学前はポジティブな記憶を思い出す練習をたくさんしておきましょう。

 

 

山﨑 拓史

学校法人山崎学園理事長

 

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わが子が幸せになるために必要な3つの力

わが子が幸せになるために必要な3つの力

山﨑 拓史

幻冬舎MC

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