医学部専門予備校・TMPS医学館代表取締役の長澤潔志氏が、自らの経験談をもとに、「医学部受験に合格する子」「失敗する子」の特徴を解説します。

生活を犠牲にして、騙されて、裏切られて、怒って…

60以上が射程距離ですから、方法が変わっていきます。偏差値57から60くらいの間にいる子は、どこの予備校に替わっても、受かる可能性が高い生徒たちです。しかし、ほんの少しの差のようで、その子たちと53から56の子は違います。

 

彼らは完全な怠け者ではありませんが、どっちつかずで、いまひとつパワーが足りない子供たちです。素直で伸び伸びとしていて、のんびり屋が多い。そのため、うまく誘導すれば勉強にも乗ってきてくれるタイプなのです。このグループの半数は、1年で合格する可能性を秘めています。

 

ただ、彼らこそ、放任してもダメ、強制してもダメなタイプです。放任すれば、だらしなくなって、落ちていきます。下手に強制すると、今度はノイローゼになったり、引きこもったりしてしまうかもしれません。

 

やはり一律の個別指導ではなくて、本気の個別指導が必要になります。勉強指導、そして生活指導です。スタッフと講師の二人三脚で生徒を誘導していきます。スタッフのことは小馬鹿にする生徒も少なくないので、彼らが一目置いている一流講師にも手伝ってもらわないとうまくいきません。

 

「この先生が自分のことをここまで見てくれている」という感覚が必要なのです。そうすることで生徒のモチベーションは上がります。ただ、個別指導というのは、やるほうも生半可な気持ちではできません。私たち自身が身を削って、自分の生活を犠牲にして、騙されて、裏切られて、怒って……。

 

それこそこちらの精神修行にもなるような話なのです。簡単に個別指導などと宣伝している予備校を見ると、鼻で笑いたくなります。

 

 

長澤 潔志

医学部専門予備校・TMPS医学館代表取締役

 

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本連載は、『医学部受験の闇とカネ』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。なお本記事で紹介している内容は、著者の体験をもとに執筆しております。万一、本連載の記載内容により不測の事故等が生じた場合、著者、出版社はその責を負いかねますことをご了承ください。

医学部受験の闇とカネ

医学部受験の闇とカネ

長澤 潔志

幻冬舎メディアコンサルティング

講師歴30年の医学部専門予備校代表の長澤潔志氏が、実体験をもとに、合格率を偽って、「授業料を挙げる予備校」、「コネとカネがなければ合格できない推薦枠を設ける大学」、「指導力不足で受験生を浪人に導く高校」など、さま…

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