「自分にはなにもない……」なら聞いてみよう
その頃、ふと思い出したのが、子どもの頃から学生時代にかけて、人前で話すことが苦手だったのを克服してきたことです。そして、気づくといつの間にか「トークが自分の強み」になっていました。
その後、本業の営業の他にセミナー講師をすることになり、作家にもなり、多いときで年間二百回くらいのセミナーをしていたことがありました。毎年、千人の新入社員研修をしたり、幕張メッセで七千人を前に講演もしました。
そして、地上波のテレビ番組やラジオ番組に出演し、芸能人の方と対談させてもらうようにもなったのです。さらに、拙著『超一流の雑談力』のヒットによって、いつの間にか「雑談力の安田さん」などと呼ばれるようになっていました。
そんな私の例からも言えるように、自分では「まさか? これが?」と思うことでも、それが、あなたの強みになるかもしれないのです。今、私の周りには若い人が集まってくることが多くなっています。
それはおそらく私との会話の中で、「自分の強み」を発見してもらいやすいからではないでしょうか。私も努めてその人の「強み」や「その活かし方」を伝えるようにしています。このように、人は誰でも必ず、その人独自の強みがあります。
ですから、「自分には何もない……」などと決して諦めないでください。今までの人生で人から褒めてもらったこと、他の人と比べて明らかに得意だと思えること、やっていて気持ちがよいことを書き出してみましょう。もし思いつくことがなかったら、身近な上司や同僚、友達などに恥ずかしがらずに聞いてみてください。
人は自分のことはわからなくても、他人のことはよく見えているものです。きっと、自分では思いもよらない手がかりを与えてくれるでしょう。
【強運ポイント】
本人は「自分の強み」になかなか気づけないが、他人には発見しやすいもの。
身近な他人に聞いてみよう。
安田 正
株式会社パンネーションズ・コンサルティング・グループ代表取締役
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