人生折り返し地点を過ぎると、定年退職や介護、相続など様々なイベントや問題が発生します。しかし、事前にトラブルの対処法を知っておけば安心です。今回は、年金に頼りがちで老後破綻に陥る可能性もある70代について見ていきます。※本連載は、横手彰太氏の著書『老後の年表 人生後半50年でいつ、何が起きるの…? で、私はどうすればいいの??』(かんき出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

「老後破産」が起きやすい3つのパターン

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

そもそも老後は、現役時代と違って毎月の家計が赤字になりやすい構造になります。ここで、老後破産が起きやすい3つのパターンをご紹介します。ぜひ、自分の置かれた(ないし、置かれそうな)状況と照らし合わせて読み進めてください。資産不足や孤立対策は、別のパートで紹介していますので、こちらもぜひ参照を。

 

◆【パターン1】年金収入が少ない

年金は、現役時代の努力の結果です。どんなに稼ぎ続けていても、年金を納付していないと老後はもらうことができません。サラリーマンでも転職で、年金を払っていない期間もある人は多いもの(筆者も自営業時代は年金を納付していませんでした)。自営業だと、医師や弁護士という比較的高額所得となる職業でも、年金の受給額は少ないのです。

 

65歳での年金の平均受給額は14万7000円。元気なうちは働くことによって余裕がある生活を送れますが、貯金が300万円だけだとあっという間に底をつきます。老後は、働いて稼ぐ力が年々弱まるので、年金額が少ないことは破産するパターンとなる確率が高いのです。

 

年金を22万円もらう予定が、65歳時のまさかの熟年離婚によって年金も分配対象となり、月13万円で一人暮らしになってしまった事例もあります。

 

◆【パターン2】貯金が少ない

資産が、売却しても売れなかったり二束三文の自宅だけだったりする場合、貯金が少ないと老後破産をしやすくなります。年金収入が少なければ、貯金に頼るしかありません。そして、自宅以外の不動産はあるといっても、地方の土地で売却してもまとまったお金にならず、家賃収入を生まないものばかりといった人も少なくありません。いわば「土地持ち・金なし」です。

 

また、代々受け継いできた土地だから売れないという人もいますが、あなたが売れなければ、あなたが亡くなった後、その土地を相続した配偶者や子どもはますます売れません。身内から後ろ指を指されることも関係します。

 

貯金が少ないと思った人は、まず財産の棚卸を行って換金できるものはないか確認しましょう。財産の中でも換金ができるものであれば、貯金額に応じて随時売却しましょう。本当に困るのはあなたではなく、あなたの大切な配偶者や子どもです。

 

◆【パターン3】社会的孤立

いざという時に頼る人がいないと、老後であれば大きなリスクになります。高齢者は、ちょっとしたことで体調を崩しやすくなります。外出をしないと体力がいっそう落ち込みますし、栄養バランスのとれた食事をしないと不健康になります。病気がちになれば、医療費がかかり、介護費が発生することもあります。

 

また、孤立していると、人と話すことが極端に減少。寂しさからか、オレオレ詐欺などに引っかかりやすくなります。

 

怪しい業者など資産の取り崩しに関係することは、子どもや配偶者と同居していれば、すぐお互いの異変に気づくことで確認ができます。しかし一人だと、なかなか気づきません。、高齢者の一人暮らしは急増中(図1)。

 

仮キャプション
[図1]65歳以上の人の単身世帯の数と割合

 

過去35年間で男性は約10倍、女性は約6倍も増加したというデータもあります。一人暮らしが老後破産を意味するわけではありません。でも相談する人がいないという社会的孤立が、老後破産に間接的なことでも大きく影響するのです。

 

 

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老後の年表 人生後半50年でいつ、何が起きるの…? で、私はどうすればいいの??

老後の年表 人生後半50年でいつ、何が起きるの…? で、私はどうすればいいの??

横手 彰太

かんき出版

老後は多くの問題が降りかかってきます。 ただ、 問題が何歳頃に、どんなふうに起きやすいのかを知っておけば、事前に対策が立てられて、被害を小さくすることができる 場合もあるのです。 そこで 本書では、「老後の年表」…

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