初対面の相手の懐に入るのは難しいもの。しかし「自分の話」を少しばかり雑談に織り交ぜるだけで、相手は親近感を抱き、自然と胸襟を開くようになります。メンタリストDaiGo氏が、自身の影響力を高め、人間関係で優位に立つ方法を解説します。※本記事は、『超影響力~歴史を変えたインフルエンサーに学ぶ人の動かし方』(祥伝社)より抜粋・再編集したものです。

シュムージングで「お願い」の成功率が20%アップ

●相手との心理的な距離を一気に縮めてしまうシュムージング

 

このようにシュムージングがうまくいくと相手との心理的な距離が大きく縮まっていきます。その効果は2002年にスタンフォード大学の研究チームが行なった実験でも確かめられています。

 

この実験では、およそ100人の学生に対して「慈善事業に対する寄付を募ること」を指示。その際に参加する学生を次の3つのグループに分け、どのグループが最も効果的に寄付を募ることができたかを比較しました。

 

①いきなり寄付をお願いするメールを送ったグループ

②メールの最初に、生まれ故郷に関する話や熱を上げて応援しているスポーツチームの話など、自分についての雑談を書いたうえで、寄付をお願いするメールを送ったグループ

③相手に電話で自分の趣味などをテーマにした雑談をしたあと、寄付をお願いするメールを送ったグループ

 

結果は明らかでした。寄付のお願いの前に自分をネタにした雑談(シュムージング)を行なった②と③のグループは、寄付をもらえた確率が20%もアップしたのです。

 

さらに、メールだけでシュムージングをするよりも、事前に電話をかけて話をした③のグループのほうが成功率は高い結果になりました。

 

また、同研究チームはプラスαの条件での実験も実施。メールや電話ではなく事前に顔を合わせてシュムージングを行なってから、本題をメールで送った場合の変化も観察しました。

 

すると、直接会ったグループは寄付をもらえる確率が高まるだけでなく、寄付金額が多くなる傾向も出たのです。

 

これはシュムージングによって自己開示が進み、相手との間につながりが生じたからだと指摘されています。趣味や出身地、大切にしていること、好きなマンガなど、他愛もない話だとしても、それがあなた自身に関するネタであれば、聞き手は自分との共通点を見出し、親近感を覚えてくれるのです。

 

 

このスタンフォード大学の研究からわかるのは、メールや電話のシュムージングであっても20%も相手を協力的に変える効果があるということ。

 

いきなり商品の紹介を始める営業担当が嫌われるように、いきなり本題を切り出しても相手は耳を傾けてくれません。距離を縮める準備があるからこそ、そのあとに続く大事な話にも興味を持ってくれるようになるのです。

 

 

メンタリストDaiGo

 

 

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