恐しい…築20年のマンション、建て替えに反対した住人の末路

高齢化、人口減少…昨今、マンションを取り囲む状況は極めて厳しいものになっています。大阪経済法科大学経済学部教授の米山秀隆氏の書籍『限界マンション 次に来る空き家問題』(日本経済新聞出版社)より一部を抜粋・編集し、マンションの建て替えの問題点を解説していきます。

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「自主建て替え」せざるを得ないマンションとは

制度の適用で容積率が以前の約260%から約560%に増え、戸数を大幅に増やすことが可能になった。もともと法定容積率は360%だったため、東京都の制度を適用しなくても戸数を増やすことは可能だったが、それでは保留床が少なく、建て替え費用を賄うには不十分だったため、新しい制度を活用した。

 

建て替え事業には鹿島建設が参加したが、都心の好立地であったことがデベロッパーからの事業協力が得られる重要なポイントになった。

 

このように容積率が大幅に割り増しされれば、建て替えを行いやすくなるマンションは少なからず存在すると考えられるが、保留床を設けてそれを新たに分譲できるのは、やはりよほど立地条件が良いマンションに限られる。

 

分譲の際には、新規供給マンションとの販売競争にも打ち勝たなければならない。立地条件の悪いマンションは、いくら容積率を割り増して保留床を増やしても、確実に分譲できるという見通しが立たなければ、現実には建て替え困難なケースが多いことは容易に想像がつく。

 

この場合は、自主建て替えか、デベロッパーの協力が得られても低い元率を甘受して建て替えを行うという選択しか残されていないことになる。

 

 

米山 秀隆

大阪経済法科大学経済学部教授

 

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大阪経済法科大学経済学部教授 

経歴
2020年9月~ 大阪経済法科大学経済学部教授
2020年8月~ 総務省統計局「2023年住宅・土地統計調査に関する研究会」メンバー
2019年10月~2020年8月 国立研究開発法人勤務
2019年4月~2019年9月 株式会社シンクダイン
2016年6月~2017年10月 総務省統計局「2018年住宅・土地統計調査に関する研究会」メンバー
2009年4月~2017年3月 高崎商科大学非常勤講師
2007年7月~2010年3月 慶応義塾大学グローバルセキュリティ研究所客員研究員
2004年2月~2019年9月 「ESPフォーキャスト調査」フォーキャスター
1996年4月~2019年3月 株式会社富士通総研
1989年4月~1996年4月 株式会社富士総合研究所
1989年3月 筑波大学大学院経営・政策科学研究科修了(経済学修士)
1986年3月 筑波大学第三学群社会工学類卒業

著者紹介

連載「マンション限界時代」スラム化していくマンションたち

限界マンション 次に来る空き家問題

限界マンション 次に来る空き家問題

米山 秀隆

日本経済新聞出版社

進む、建物の老朽化と住民の高齢化。 老朽化マンションの放置・スラム化は不可避なのか? マンションは終の棲家にならないのか? ▼老朽化したマンションの末路は、スラムか廃墟か。居住者の高齢化と建物の老朽化という「2…

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