ヘッジファンドに関心はあるけれども、情報が少なく、二の足を踏んでいる人も多いでしょう。そこでヘッジファンドマネージャーの話から、ヘッジファンドの実態を明らかにしていきます。前回に続いて話を伺うのは、国内独立系ヘッジファンドのオリオール・アセット・マネジメント株式会社に所属する小野塚二也氏。投資する企業をリサーチする際にどこに着目しているのかを、事例を交えてお伝えします。

数字を見るより、実際にサービスを利用して肌で感じる

投資しようと思っている企業のサービスを利用してみることが大切
「投資しようと思っている企業のサービスを利用してみることが大切」だと言う。

 

――多くのアナリストは「会社のIR」や「業績」の数字を指標に投資先を選定しているようですが、御社の場合は、実際に体験してみることを大切にしているということでしょうか?

 

その通りです。私たちは実際に投資対象となる企業の経営サイドの質が最も重要だと感じていますが、それだけでなく、同業他社などの周辺企業、ユーザーの使い勝手などを見聞きして、「その企業の新たなビジネスモデルに継続性があるかどうか」を重視しています。

 

もちろん投資ですので、一過性の収益や数字の増減はありますが、単にIR担当者など経営側の話を聞くだけでなく、実際に自分の肌で感じて継続的な需要があるかどうかで判断しています。

 

先ほどの航空会社はほんの一例ですが、「百聞は一見にしかず」という言葉もあるように、高いパフォーマンスを狙うのであれば、机上ではわからない部分も徹底してリサーチする必要があると考えています。

 

他にも、ゲーム会社を選定するときに、当社のアナリストが毎日スマホゲームと向き合っていたこともありましたよ(笑)

 

実際に私たちが一利用者となって感じたメリットやデメリットは、収益にも直結する結果となりますので、ロング(買いのポジション)またはショート(売りのポジション)を見極める1つの大きな材料となっています。

「想定外」のことが起こっても対応できるようにする

――アクティブなリサーチが得意ということですが、「これはいける!」と思ったにもかかわらず、予想外の方向に転んでしまった……というような経験はありますか?

 

少し前の話ですが、インターネットを使った販売サイトを運営している企業に目をつけたことがあります。ECは今後も右肩上がりで伸びていくビジネスモデルであり、対面販売などを重視する企業との格差は直線的に広がっていくものと予想していました。

 

そして、どんどん伸びていく業界だと感じたタイミングで「アベノミクス効果」で中国人観光客が急激に増加し、百貨店や量販店で「爆買い」が起こり、実店舗とネット販売の差が一時的に急激に縮小しました。

 

購買意欲を持った中国人がまさかこんなに来日するとは思っていなく、想定外のことが起きました。相場で一番厄介なのは、この「想定外」という言葉です。

 

今でこそ、コロナ禍においてECビジネスは主流になってきており、長い目で見た場合の投資判断は間違っていなくても、私たちはお客様の資産をお預かりしている以上、塩漬け(含み損のまま放置すること)にすることはできません。

 

そのため、一時的な特需にも対応できるように、「企業の業績」や「継続的なビジネスモデル」だけでなく、「国の政策」などの周りの環境もよく見据えて、日々取り組んでいます。

 

>>【第1回】のインタビュー記事を読む

 

 

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インタビュアー/冨中 則文(幻冬舎アセットマネジメント)

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