どんなリスクが潜んでいるかわからない「家と土地」。髙橋土地家屋調査士事務所代表・髙橋輝氏の著書『買ってはいけない家と土地』(自由国民社)より一部を抜粋・編集し、自宅を購入する際、自然災害に「強い土地」か「弱い土地」かを確認する方法について紹介していきます。

騒音、悪臭、水害などの不安要素を確認する方法

〜天気の悪い日やいろいろな時刻に現地を訪れよう〜

 

◆住んでみて初めて分かることも

 

騒音や悪臭、水害、通行のしやすさなどは、一度くらい現地を見ただけでは分かりません。ですので、異なる条件の時に、3度現地に足を運び、近隣の環境を見ることをおすすめします。それは、朝の時間帯、夜の時間帯、雨の日です。

 

・朝の時間帯

 

実際に交通量が多い通勤時間帯に現地に行ってみましょう。現地案内された時間帯と違って前面道路の交通量が多く、騒音・排気ガスなど気になりませんか。また周辺住民のゴミの出し方などはどうでしょうか? 

 

ゴミ置場付近の物件を購入する場合はチェックしておきたいところです。小さいお子さんがいる場合は、交通量が多い道路は交通事故の危険もありますので注意が必要です。

 

また、交通量が多い道路に面していると、車庫入れも大変です。特に駐車スペースが縦列駐車の場合、運転の苦手な方には要注意です。

 

・夜の時間帯

 

夜になると近隣住民が騒がしいなど、朝・昼とはまったく違う環境を目にするかもしれません。あまりにも周辺が暗くさみしい道も危険です。また、公園が近くにある場合は若い人のたまり場になっていないかチェックしてみましょう。

 

地域によっては、市区町村のウェブページで「犯罪情報マップ」を見ることができます。「犯罪情報マップ」では、その場所が、犯罪の多い地域か、どのような犯罪が起きているのか確認することができます。

 

・雨の日

 

雨量が多い日に行ってみると、道路が浸水している土地があります。雨水が溜まる土地は地盤が低く、雨水の処理能力に欠けている可能性があります。

 

オーバーフローしてしまう可能性がありますので注意が必要です。近年のゲリラ豪雨は想定を上回る雨量が短時間に集中します。地盤より低い土地の場合は、浸水にも注意しておきましょう。

 

◆隣に住んでいる人に聞いてみる

 

土地を探すときにお勧めなのは、隣に住んでいる人に話を聞くことです。正直に「この物件を購入したいと思っている」と話せば、多くの方が快く話をしてくれます。購入したらお隣さんになると思うと、無下にはできないからです。

 

筆者も以前、実際にいいと思っていた物件があったので、お隣の方に気になる点を聞いてみたところ、「大型ショッピングモールが近くにできてから前面道路が抜け道になり、交通量が多くなりました。子供が飛び出すのが怖いです」と教えてくれました。

 

変わった人が近隣に住んでいないか、住みやすいか、困ったことはないか、子どものいる人は子育てをするのに適した環境か……など、率直に気になることを聞いてみましょう。

 

初対面で聞きづらいと思うかもしれませんが、買わなければ、会う機会も話す機会もありません。割り切って聞いてみれば、見ただけでは分からない情報や、住んでいる人にしか分からない地域の状況を教えてもらえるかもしれません。

 

 

髙橋 輝

髙橋土地家屋調査士事務所代表

 

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買ってはいけない家と土地

買ってはいけない家と土地

髙橋 輝

自由国民社

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