稲盛和夫、孫正義に匹敵の「わくわく感」…変人・宗吉敏彦

宗吉敏彦はリーマンショックに巻き込まれ650億円の負債を抱えて倒産。いったん経済の表舞台から姿を消した。リーマンショックで地獄に堕ちた男はアジアで再起のチャンスをいかに掴んだのか。宗吉とともに躍進するアジア不動産市場の潜在力と今後の可能性を探る。本連載は前野雅弥、富山篤著『アジア不動産で大逆転「クリードの奇跡」』(プレジデント社)の一部を抜粋し、編集したものです。

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「東南アジアに今、出て行かないのはウソだ」

成長のエネルギーが大きい東南アジアを選ぶ

 

久しぶりである。話を聞いていてわくわくするような男に会ったのは。77個の衛星を使って世界中を結ぶ「夢の通信システム」の構築を目指した京セラの稲盛和夫、10兆円というとてつもない規模のファンドを運営、時価総額200兆円を目指すソフトバンクの孫正義。彼らが目を輝かせながら語る話は、黙って聞いているだけで胸がときめいた。宗吉敏彦もそうだ。「わくわく感」だけなら決して負けない。稲盛や孫に匹敵する男である。

 

まず発想が奇想天外だ。それでいてロジカル。しかも根は真面目。そしてせっかちで飽きっぽい。複雑怪奇、一般人の理解を超える男だが、話していてとにかく舌を巻くのが、その「消化力」の高さだ。幅広い方面から多種・多様な情報を集められるだけ集めて、手際よくザッと整理してみる。それでちょっとだけ考えてストンと横串を通し、まるでオレンジをスパッと横から切ってみせるように「要するに現状はこうだ」とまとめてしまう。

 

非凡な結果を求めるなら、非凡にやるしかないという。(※写真はイメージです/PIXTA)
非凡な結果を求めるなら、非凡にやるしかないという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

例えば不動産ならこうだ。

 

「日本はもう成熟してしまっている。新興企業が伸びていける隙間は残っていない。ところが東南アジアはどうだ。成長のエネルギーに満ちあふれている。これだけデータが裏付けているじゃないか。リスクはこれだけ。リターンはこうだ。東南アジアに今、出て行かないのはウソだ」

 

宗吉はリーマン・ショックに巻き込まれ日本で一敗地にまみれた後、再起を期したが、その場所として再び日本を選ばなかった。理由は単純明快だ。東南アジアの方が成長のエネルギーが大きいからだ。成長のエネルギーが大きい分だけ、チャンスは日本の何倍にもなる。

 

しかも人々の平均年齢が低く、成長のスピードも速い。2018年時点で日本の平均年齢が47.7歳なのに対してベトナムが30.9歳、インドネシアは28.8歳、カンボジアが24.3歳、ラオスは23.1歳である。経済成長率も5~7%台。0.7%の日本に比べると雲泥の差で、当然、不動産の価格も上がる。この成長のエネルギーを取り込まないのは「実にもったいない」と宗吉の目には映るのである。

 

それには工夫もいる。努力も勉強も必要だ。歴史も宗教も民族性もすべてがビジネスに直結してくる。日本の非常識が東南アジアの常識だったり、またその逆だったり。それを1つ残さず頭にたたき込んでおかなければ仕事にならない。その国で本当の権力を持つ政治家は誰か、資金源は誰か、住宅制度は現在、どうなっていて、どういう方向に変わっていきそうなのか……。これを宗吉はやる。ありったけの情報をすべて飲み込み、強力な胃袋で消化し、自分の血肉に変えていく。

 

人と同じことをしていたら、人と同じ結果しか得られない。非凡な結果を求めるなら、非凡にやるしかない。ピリピリするような緊張感のなかで血のにじむような努力をする。それがうまくいった時、結果に結びついた時の達成感が宗吉にはたまらなく面白い。挑戦し続け、時には失敗しながらまた挑戦し、プロジェクトを成功させることで自分の実力を確認する。その繰り返しこそが生きている証しなのだ。

クリードグループ 代表

1965年生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業後、伊藤忠商事に入社。不動産開発やコーポレートファイナンスに従事したのち、1996年クリードを設立。
当時の国内不動産業界で一般的でなかったDCFの概念を取り入れた不動産投資・評価にいち早く着目し事業をスタート、私募不動産ファンド・REIT運用等を手がける。
2012年からは、マレーシアを皮切りに本格的に東南アジアでの不動産投資に着手。現在、シンガポールに拠点を移し、マレーシア、カンボジア、ミャンマー、バングラデシュ、ベトナムで事業を展開している。

著者紹介

日本経済新聞 記者

東京経済部で大蔵省、自治省などを担当後、金融、エレクトロニクス、石油、ビール業界等を取材。現在は医療、不動産関連の記事を執筆。著書に『田中角栄のふろしき』(日本経済新聞出版社)がある。

著者紹介

日本経済新聞 記者

2014年よりハノイ支局長としてベトナム全般を取材。現在は日経産業新聞の海外面デスクを務める一方、外国人労働者問題、ASEANなどを取材。著書に『現地駐在記者が教える 超実践的ベトナム語入門』(アスク出版)がある。

著者紹介

連載リーマンの敗者、沸騰するアジアの不動産市場で奇跡の復活

アジア不動産で大逆転「クリードの奇跡」

アジア不動産で大逆転「クリードの奇跡」

宗吉 敏彦 前野 雅弥 前野 雅弥

プレジデント社

クリードの奇跡の主人公、宗吉敏彦は、2009年1月9日、リーマン・ショックに巻き込まれ650億円の負債を抱えて倒産。いったん経済の表舞台から姿を消したものの再びアジアで復活したかと思ったら、世界的な新型コロナウイルスの…

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