日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回、焦点をあてていくのは「不動産」。日本、そして世界の国々の住宅価格について見ていきます。

コロナ禍で「日本の不動産価格」は…

長引くコロナ禍で東京五輪が延期になった一方で、2025年の大阪万博、品川と名古屋を結ぶリニア中央新幹線など、ビッグイベントにビッグプロジェクトが続く……不動産を語る際、明るい材料が目白押しですが、実際のところはどうなのでしょうか。

 

国土交通省『令和3年地価公示結果』で令和2年1月以降の1年間の地価について見てみます。

 

全国平均では、全用途平均で平成27年以来6年ぶりに下落。住宅地では、東京圏で平成25年以来8年ぶり、大阪圏で平成26年以来7年ぶり、名古屋圏で平成24年以来9年ぶりに下落に転じました。一方で、札幌市、仙台市、広島市、福岡市では2.7%と8年連続で上昇するも、その割合は縮小しました。

 

商業地では、東名阪いずれも平成25年以来8年ぶりに下落に転じました。一方で、札幌市、仙台市、広島市、福岡市では、上昇率は縮小したものの、8年連続の上昇となりました。

 

全国的な土地価格の傾向は、都市によって、またセクターによって状況は異なるものの、多かれ少なかれ、コロナ禍の影響が見られます。

 

さらに国土交通省による『不動産価格指数』を見ていきましょう。不動産価格指数は、年間30万件の取引をもとに価格の動向を表したもので、2010年の平均を100として指数化したものです。地価公示は1月1日時点の価格水準を示していますが、不動産価格指数は毎月公表され経過で把握することができます。

 

2020年の指数の推移を、住宅地、戸建て住宅、マンション(区分所有)別に見ていきます。

 

■不動産指数:住宅地

2020年1月:94.1(対前月比▲5.8)
2020年2月:102.6(対前月比9.0)
2020年3月:98.6(対前月比▲3.9)
2020年4月:100.4(対前月比1.8)
2020年5月:100.5(対前月比0.1)
2020年6月:100.9(対前月比0.5)
2020年7月:96.9(対前月比▲4.0)
2020年8月:98.8(対前月比2.0)
2020年9月:100.2(対前月比1.4)
2020年10月:100.5(対前月比0.3)
2020年11月:100.5(対前月比▲0.0)
2020年12月:102.0(対前月比1.6)

 

■不動産指数:戸建て住宅

2020年1月:101.6(対前月比▲0.1)
2020年2月:101.3(対前月比▲0.2)
2020年3月:101.6(対前月比0.3)
2020年4月:101.2(対前月比▲0.5)
2020年5月:101.1(対前月比▲0.1)
2020年6月:99.1(対前月比▲1.9)
2020年7月:100.6(対前月比1.5)
2020年8月:101.7(対前月比1.2)
2020年9月:101.3(対前月比▲0.4)
2020年10月:101.4(対前月比0.0)
2020年11月:102.7(対前月比1.3)
2020年12月:103.2(対前月比0.5)

 

■不動産指数:マンション(区分所有)

2020年1月:151.0(対前月比1.4)
2020年2月:150.7(対前月比▲0.2)
2020年3月:151.4(対前月比0.5)
2020年4月:152.3(対前月比0.6)
2020年5月:154.8(対前月比1.7)
2020年6月:152.1(対前月比▲1.8)
2020年7月:151.4(対前月比▲0.5)
2020年8月:153.2(対前月比1.2)
2020年9月:155.5(対前月比1.5)
2020年10月:155.2(対前月比▲0.2)
2020年11月:156.0(対前月比0.5)
2020年12月:158.1(対前月比1.4)

 

数値からも戸建住宅や住宅地は10年前と同程度の水準であるのに対し、マンションは10年前の水準と比べて、1.5倍程度に伸びていることが分かります。特に東京圏のマンション価格はニュースなどで報じられている通り、大きく伸長してきました。コロナ禍においても、続伸しているようです。

 

ただし不動産指数はリアルタイムではなく、取引を行うときの3ヵ月程度前のデータによるものです。未曽有の事態のなか、現状との乖離が発生していないか、十分に検討する必要があることを忘れてはいけません。

 

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