「国民年金基金の節税効果、活用を」元国税専門官のアドバイス

「確定申告するのが面倒くさい」「節税したいけど、どうしたらいいか分からない」……、毎年このような声をよく聞く。日本の税制は、納税者自ら確定申告をする「申告納税制度」で、申告内容の一部は納税者の選択に委ねられているのだ。申告相談に携わった元国税専門官が、節税にはどっちが得なのか、プロの税金術を公開する。本連載は小林義崇著『元国税専門官が教える! 確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち?』(河出書房新社) より一部を抜粋し、再編集したものです。

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まずは公的制度、不足部分は民間の保険や年金で

それでも私は、まずは節税メリットの高いiDeCoや小規模企業共済、国民年金基金などの公的制度を中心に考え、不足する部分については民間の保険や年金を活用するほうが合理的だと考えます。

 

ちなみに、iDeCoや小規模企業共済とくらべた国民年金基金の特徴は、将来の受取方法を柔軟に設計できる点にあります。支給開始の年齢を設定できる他、決まった年齢まで支給を受ける「確定年金」と、生涯にわたり年金を受け取ることのできる「終身年金」のいずれかを選択することも可能です。そして、受取時には公的年金等控除の対象になるので、この点も節税メリットとして挙げられます。

 

国民年金基金などの公的制度に対する節税効果は、ある意味で個人事業主の特権ともいえるものです。これを使わないのはもったいないです。

 

サラリーマンの場合、小規模企業共済と国民年金基金を使うことがそもそもできません。さらに、iDeCoについても、自営業者が月額6万8000円までを拠出できるのに対し、サラリーマンは条件によって月額1万2000円〜2万3000円に設定されています。

 

ちなみに、将来に向けた資産形成をするうえでは、NISAや、つみたてNISAも効果的です。これらは所得控除とは関係しないので本稿では説明していませんが、資産形成するうえでは考えてみてください。

 

本記事は「確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち?」(河出書房新社)の一部を抜粋し、2021年3月現在の法令等に合わせ加筆したものです。法改正などにより、内容が変更となる可能性があります。

 

小林 義崇
フリーライター 元国税専門官

 

 

フリーライター

1981年、福岡県生まれ。西南学院大学商学部卒業。2004年に東京国税局の国税専門官として採用され、以後、都内の税務署、東京国税局、東京国税不服審判所において、相続税の調査や所得税の確定申告対応、不服審査業務等に従事。2017年7月、東京国税局を辞職し、フリーライターに転身。書籍や雑誌、Webメディアを中心とする精力的な執筆活動に加え、お金に関するセミナーも行っている。近著に『すみません、2DKってなんですか?』(サンマーク出版)がある。

著者紹介

連載「得なのはどっち?」難しい確定申告を分かりやすく解説

確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち? 元国税専門官が教える!

確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち? 元国税専門官が教える!

小林 義崇

河出書房新社

クイズ形式で出題。ベスト・チョイスはどっちか? 青色申告or白色申告。開業届を出すor出さない。家族を雇うorパートを雇う。iDeCo or小規模企業共済。郵送で申告or e‐Tax。国税専門官として数多くの申告相談に携わった著者…

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