ワクチン接種が進んでいるフィリピンですが、コロナ感染の拡大は続き、株式市場では下降バイアスのかかった取引が続くと予想されています。このような状況のなか、取るべき投資戦略とは? 現地で日々フィリピン経済を調査している一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクター、家村均氏が解説します。

 

コロナ感染状況悪化で外国人投資家、売り越し続く

いくつかの企業ニュースを紹介します。

 

・「FGEN」…来年までに2つの地熱プロジェクトの完成を目指す。

・「CLI」…2020年通年の純利益は8%減の18億ペソに。

 

現状は、景気回復に対する不確実性が高いため、多くの投資家はまだ傍観している状況です。

 

外国人投資家は、先週は23億ペソの売り越しで、8週連続の売り越しとなりました。年間では359億ペソの売り越しとなっています。フィリピンではCOVIDの状況が悪化していることから、引き続き、売り越しが続くと予想されています。

 

PERの観点から見ると、2021年の指数は17.9倍で取引されており、過去の平均PER18.1倍に近い水準です。

 

市場の見通しについては、国内でCOVIDの状況が悪化していることから、下降バイアスのかかった取引が続くと予想しています。6,400から6,700のレンジを考えています。そのため、6,400レベル付近でインデックス銘柄を積み上げていくのが良いと考えています。

 

コロナ感染悪化のなか、注目すべき銘柄は?

注目銘柄選択については、基本的に先週と同じ高配当優良銘柄として、通信銘柄2社「TEL」「Globe」と、電力株「Meralco」の主要インフラ銘柄を選定しました。

 

「PLDT」と「Globe」は業績が引き続き好調です。リモートワークの広がりにより、ブロードバンドへの需要が拡大しています。フィリピンでは、特にビサヤとミンダナオの地域には、まだ未開拓の市場がたくさんあります。ターゲット価格に対するアップサイドのポテンシャルも高く、配当利回りも年約4~5%です。フィリピン最大の電力会社であり、フィリピンの電力供給の70%を担っている「メラルコ」も同様に有望です。

 

バリュー・プレイについては、PBR1倍以下で取引されている有力銘柄として、銀行株2銘柄「MBT」「SECB」と、財閥株3銘柄「GTCAP」「LTG」「DMC」を選びました。

 

最後に、10年平均のPERと比較してどの企業が割安な価格で取引されているかという観点では、「MER」(電力)、「PGOLD」(小売)。「GLO」(通信)、「LTG」(財閥)、「TEL」(通信)の順番になります。

 

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしている

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