都道府県別に「家賃生活者」を見ていくと
今手にしている給料がどれほどかは、人それぞれですし、それで十分なのか、それともまったく足りずに火の車、という人もいるでしょう。しかし多くの人に共通しているのは、「できることなら働かずに稼ぎたい」という夢ではないでしょうか。
そんな人たちにうらやましいひと言を放つ人がいます。
「家賃収入で食べていますよ」
世の中には、家賃をはじめ、不動産収入で暮らしている人がいます。国税庁によると2019年に「不動産所得が主たるもの」として申告した人は、108万7339人。ここでいう「主たるもの」とは「1人で2以上の種類の所得を併有する場合は、各種類の所得のうち最も大きいもの」と定義され、「不動産所得」は土地や建物の賃料のこと。不動産売買による所得は譲渡所得となり、不動産所得には含まれません。
「不動産所得が主たるもの」、つまり「家賃生活者」の人数を都道府県別に見ていくと、「東京都」が最も多く 297,630人。人口の多い地域は、家賃収入で食べている人も多いようです。
2位 神奈川 134,914
3位 愛知 105,740人
4位 大阪 99,694人
5位 埼玉 91,811人
6位 千葉 69,318人
7位 兵庫 53,267人
8位 福岡 51,323人
9位 静岡 50,303人
10位 北海道 47,020人
さらに「家賃生活者」の割合を都道府県別に見ていくと、トップは「沖縄県」で11.99%。沖縄は米軍などの「軍用地投資」で生活する人が多く、ほかの都道府県と比べても、「家賃生活者」の割合がずば抜けて多くなっています(関連記事『沖縄・米軍基地のオーナーに!?常識を覆す「軍用地投資」の全貌』)。
2位 東京 7.10%
3位 神奈川 5.72%
4位 愛知 5.56%
5位 埼玉 5.34%
6位 静岡 5.28%
7位 広島 5.18%
8位 大阪 5.09%
9位 京都 5.07%
10位 高知 4.91%
一方で「家賃生活者」の割合が少ないのは、「富山県」で2.58%。続いて「秋田県」「島根県」「佐賀県」「滋賀県」と続きます。
「家賃生活者」の割合が低い地域は持ち家率が高いのが特徴。賃貸ニーズが低く、「不動産で暮らしている」という人の割合も低くなっています。
また「家賃生活者」の平均不動産所得を都道府県別に見ていくと、トップは「東京都」で515.29万円。家賃が高い地域が必然的に不動産所得も高くなっていると考えられます。
2位 神奈川 500.35万円
3位 埼玉 494.87万円
4位 大阪 476.07万円
5位 愛知 462.84万円
6位 千葉 453.91万円
7位 京都 452.32万円
8位 滋賀 440.60万円
9位 福岡 434.14万円
10位 兵庫 432.87万円
「家賃で食べているよ」という人は地域によってバラつきがあることが分かります。ただ「家賃で食べているよ」という人には、会社員にはないリスクが付きまとうもの。空室が発生すると収入が減少するわけですし、建物の修繕費も大きなものがあります。
会社員が思い描いているような「不動産の管理もすべて任せて、悠々自適に暮らしている」という人は、意外と一握りなのかもしれません。
【関連記事】
税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ
親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】