高齢化社会を見越して、定年年齢が段階的にあがっていき、この4月には「70歳までの就業確保」が努力義務になりました。定年退職が遠のくなか、楽しみなのが退職金ですが「公務員は退職金が多くてうらやましい」という会社員の声も。公務員、会社員、それぞれの退職金事情を見ていきましょう。

公務員と会社員…定年時に受け取る退職金額は?

内閣人事局『国家公務員退職手当実態調査』によると、国家公務員の退職金は、常勤職員で2068万円。そのうち行政職俸給表(一)適用者は2152万3000円。また勤続40年以上の場合、常勤職員の退職手当平均支給額は2261万8000円で、そのうち定年は2234万円、応募認定(=早期退職者募集制度に基づく退職)で2466万4000円、自己都合で2251万円。そのうち行政職俸給表(一)適用者では、2173万9000円。定年は2153万6000円、応募認定で2357万1000円、自己都合で2046万6000円となっています。

 

地方公務員の場合はどうでしょうか。総務省『平成31年地方公務員給与の実態』によると、56歳勧奨退職者で平均2125万1000円、58歳勧奨退職者で2141万6000円、60歳定年等退職者で2133万円。

 

また都道府県により多少のバラつきはあり、最も60歳定年退職者の平均支給額が高いのが「静岡県」で2294万6000円。「三重県」2290万1000円、「神奈川県」2281万1000円、京都府2257万7000円、「山梨県」2253万2000円。一方で最も少ないのが「沖縄県」で2113万5000円。「岐阜県」2113万9000円、「鳥取県」2135万4000円、「青森県」2143万7000円、「島根県」2155万円と続きます。1位と47位で181万1000円ほどの差がありますが、平均して2000万円以上の退職金を手にしています。

 

一方で民間企業はどうでしょうか。厚生労働省『 平成30年就労条件総合調査』によれば、退職給付(一時金・年金)制度がある企業は80.5%。従業員1000人以上の企業だと92.3%、300~999人の企業で91.8%、100~299人の企業で84.9%、30~99人の企業で77.6%と、企業規模が大きい企業ほど、充実しているといえます。

 

また定年退職の場合、1人平均退職給付額は1983万円。会社都合の場合は2156万円、自己都合の場合は1519万円、早期優遇制度による退職で2326万円となっています(いずれも、大学・大学院卒の場合)。

 

このようにしてみると、平均額では公務員のほうが多いものの2000万円前後の退職金を、公務員も民間企業も手にしていることから、大差はない、という見方はできます。

 

ただ民間企業の場合、20%の企業では退職給付(一時金・年金)制度がないわけですから「定年時の退職金をあてにする」ということはできないわけです。一方、公務員の場合は、勤め上がれば平均2000万円以上の退職金を手にすることができます。

 

退職金の金額ではそれほど違いはないものの、この安定性は公務員の強みだといえるでしょう。

 

もちろん民間企業の場合、業種や職種、勤務先にもよりますが、給料は青天井ですし、退職金がなくても十分、と言える部分も。努力(プラス運)でどこまでも上にいくことができるのは、会社員の魅力といえます。

 

ただこの不安定なコロナ禍。やっぱり公務員がうらやましくて仕方がないというように、唇をかみしめている会社員が多いのは事実です。

 

 

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